内容説明
シェフの亮は鬱屈としていた。創作ジビエ料理を考案するも、店に客が来ないのだ。そんなある日、山で遭難しかけたところを、無愛想な猟師・大高に救われる。彼の腕を見込んだ亮は、あることを思いつく……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nao Funasoko
181
ドラマ『シェフは名探偵』の原作者として知った著者作品初読み。 生きることに不器用そうなシェフが同じく生きることが不器用そうな猟師と出会いジビエを仲介し物語は進む。 事件そのものは特筆すべきものでもなかったが、ジビエという素材自体も一章ごとのボリュームやリズム感といった文体も私好みの作品。バイプレイヤーたちも今後自由に動き出してきそうなキャラばかり。切にシリーズ化を願う。2021/08/24
ひさか
152
2019年2月角川書店刊。2021年5月角川文庫化。ジビエ料理と調達とそれを取り巻く人々と犬達のストーリー。ジビエ料理って難しいもんなんだと思いました。2021/07/06
Kazuko Ohta
142
グルメ×ミステリー小説が溢れるなか、どのジャンルの料理を取り込むかはある種のニッチ産業のように思います。そうだ、ジビエ料理は今までにない。料理学校では優等生だったのに、いざシェフを任されると次々と店を潰してしまう主人公・潮田。ジビエを偏愛する女性オーナーの目にとまったものの、やはり閑古鳥。猟に入った山で遭難しかけたときに助けてくれたのが無愛想な猟師・大高。なんとも美味しそうな数々の料理。だけど予想していたよりもずっとミステリー。鹿の出没にうんざりするわが家の周辺ですが、本作を読むと少し見方が変わる。 2023/11/02
venturingbeyond
138
フレンチシェフの潮田と猟師の藤高に加えて、マレーのオーナーの澤山に、バイトの若葉とそれぞれの人物造形が絶妙で、一気に読了。鳥獣を屠り、その肉を喰らうのに、小売りに並ぶ精肉の川上にある屠殺に思いを至らせることはなく、その一方でペットを家族同様に思う者も数多く存在する現代において、狩猟・害獣駆除・ジビエとしての提供などの場面のリアルな描写は、読者それぞれに日常を振り返らせ、自らの食や生について考えさせるものとなっている。エンターテイメントとしてさらりと読めるが、テーマは軽くはない。2023/01/21
あすなろ
131
なかなか面白いジビエ料理を核としたストーリー展開と登場人物達のキャラ設定。これら解説の坂木司氏の語られるとおり。物語を読む愉しさがストレートにあった。また、近藤氏の筆で登場人物達、特に主人公が語る人生観や仕事観が短く読者に時折スパッと共感させ、動作の描写も鋭く、より惹き入れらるのであろう。そして、その展開=転がり続けた後の登場人物達の全てのその後が気になって仕方ない。続編が早く読みたいと思う。2023/05/06
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