日本経済新聞出版<br> 太陽の門

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日本経済新聞出版
太陽の門

  • 著者名:赤神諒【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 日経BP(2021/05発売)
  • 天高し!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~10/6)
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  • ISBN:9784532171629

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内容説明

デビュー3年で、主に戦国武将が主人公の11作を刊行、歴史小説に新風を吹き込む赤神諒氏が、伊集院静氏の休載期間中に日経朝刊小説欄に急遽抜擢され連載した本作は、赤神氏初の現代小説だ。
5カ月後に幕を開ける第二次世界大戦での枢軸国対連合国の戦いの構図を先取りしたスペイン内戦(1936~39年)が舞台。成立したばかりの共和国政府に対する軍部の叛乱を阻止しようと立ち上がった市民兵とともに銃を取った元米国軍人リックを主人公に、圧倒的に劣勢に立ちながら、徒手空拳で立ち上がった市民ひとりひとりをクローズアップして描くことで、ファシズムとスターリニズムから自由と民主主義を守る戦いと言われるこの「戦争」が本当は何のための戦いだったのかを浮き彫りにする、格差や分断が社会を揺るがす現在の私たちをも照射する作品に仕上がっている。

この重厚な物語にエンタテインメント性を加えるのが、主人公リックの設定である。著者が映画史上不朽の名作である「カサブランカ」の前日譚として着想し、映画でハンフリー・ボガート扮するリック・ブレインが本作の主人公という趣向。映画ではイングリッド・バーグマン扮するイルザ・ランドやほかの登場人物の前日譚としても描き、名ゼリフぞろいの映画へのオマージュとして編み出された、戦渦で恋する男女の洒落た会話にも磨きがかかり、気障なセリフ、スパイスのきいた皮肉も読みどころである。

目次

第I部
第I章 二つのスペイン
第II章 ヨーロッパの嵐
第III章 マドリードの鐘
第IV章 カニャーダの花
第V章 ラス・ロサスの虹

     第II部
第VI章 マドリードの雨
第VII章 グアダラマの雪
第VIII章 バルセロナの月
第IX章 ブルネテの風
第X章 マドリードの夜
最終章 パリの空

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

224
映画「カサブランカ」の前日譚。スペイン内戦(1936-39年)が描かれます。とにかく主人公リチャード・ブレインが魅力的なんです。女性写真家ゲルダが評するように、クールでキザなくせに気配りがあって、いつも仏頂面で機嫌が悪いくせに思いやりがあるんです。戦友のために見せる男気に惚れちゃいます。そして戦場での別れに涙します。あのセリフ「君の瞳に乾杯」でも泣きました。戦争小説の良作です。安藤巨樹さんによる装画・挿画もイイ味出してます。2021/08/14

starbro

155
このレビューは”As Time Goes By”を聴きながら書いています♪ https://www.youtube.com/watch?v=EPSzkpNucV8 赤神 諒、2作目です。今まで歴史小説だけだった著者の新境地でしょうか?カサブランカの前日譚、著者は楽しんで陶酔して書いている気がしますが、読者はそれほど面白くありません。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55336410W0A200C2BC8000/2021/06/09

Kiyoshi Utsugi

32
「太陽の門」とは、スペインのマドリードにある広場「プエルタ・デル・ソル」のこと。 また、この作品は映画「カサブランカ」へのオマージュとなっており、「カサブランカ」の設定に基づき(人物設定含む)、スペイン内戦を題材としたものになっています。 時代的にはカサブランカの前(イルザと出会う前)になります。 リック(ハンフリー・ボガート)、イルザ(イングリッド・バーグマン)、サム(ドリー・ウィルソンが演じるピアノ奏者)が登場するのも映画と同じ。 同じ国のもの同士が戦う内戦とは何なのだろうと考えさせられる作品でした。2022/01/08

マムみかん(*感想記入少なめです*)

31
初読み作家さん。 映画『カサブランカ』へのオマージュとしての前日譚。 リックがパリでイルザと出会う前、スペイン内戦での悲惨な戦争体験と悲しい恋。 不機嫌に皮肉を吐きながらも弱い立場の味方で、痩せ我慢しながら美学を貫く! ピカピカの気障(♪カサブランカ・ダンディ♪)!! 映像的で、とても面白かったです。 ロマンチックな愚か者好きさんの、心を鷲掴みですよ☆ 2021/09/03

marryparty1

26
初読み作家さん。日経新聞で連載されていたそうですが新聞で読んでたら毎日ソワソワしていたかもしれません。5カ月後に幕を開ける第二次世界大戦での枢軸国対連合国の戦いの構図を先取りしたスペイン内(1936~39年)が舞台。多くの人が亡くなるので戦争はやはり悲惨だと思いましたが、スペイン情勢も恋の行方も気になって中盤からは一気読み。映像で観てみたいと思いましたが、著者さんは映画「カサブランカ」の前日譚として着想されたそうです。この映画が観たくなりました。「君の瞳に乾杯」って台詞この映画だったんですね。2021/06/06

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