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内容説明
歴史はときに、血を欲する──司馬遼太郎のロングセラー歴史小説を、『墨攻』や『ムカデ戦旗』で知られる時代劇画の第一人者である森秀樹がコミカライズ! 原作の連作短編集中、「桜田門外の変」と「花屋町の襲撃」の2編を収録しました。
「桜田門外の変」は、尊皇攘夷派の薩摩藩士・有村治左衛門が水戸藩の脱藩志士17名と供に、大老・井伊直弼を襲撃するまでを描いた作品。安政の大獄で父と兄が獄死した松子と治左衛門との、淡い恋も綴られる。この暗殺事件から幕末狂瀾の時代が始まります。
「花屋町の襲撃」は、海援隊の陸奥陽之助(宗光)が、暗殺された坂本竜馬の仇を討つまでの物語。同士として頼ったのは京女のお桂と、剣客「後家鞘の彦六」。竜馬との奇妙な恩義で結ばれた3人の復讐劇の直後、王政復古の号令が下り、幕末は終わりを告げます──。
本作は、週刊文春において2017年5月から10カ月にわたって連載され、動乱の時代を彩った志士たちの群像描写と緊迫感溢れる殺陣シーンが大きな反響を呼びました。
なお、司馬遼太郎・森秀樹コンビによる「文春時代コミックス」シリーズとして、2021年6月刊の今作を皮切りに、7月に『新選組血風録 一』、8月に『新選組血風録 二』、9月に『新選組血風録 三』を連続刊行する予定です。ご期待ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KDS
4
「新撰組血風録」が面白かったので本作「幕末」も手に取ってみる。司馬遼太郎原作の「桜田門外の変」と「花屋町の襲撃」の二篇を森秀樹がコミカライズ。前者は言わずと知れた大老井伊直弼の暗殺事件の顛末。幕末の維新回天の発端となった出来事だが、意外に詳細は良く知らなかったので今回これを読んで大変勉強になった。後者は坂本竜馬暗殺後の物語で、海援隊の陸奥陽之助と京女お桂、後家鞘の彦六の三人が竜馬の仇討ちのため「天満屋騒動」を起こすさまを描いた復讐譚。冒頭に出てくる竜馬の顔が実際の写真を元に描かれているのでリアルさは満点。2022/11/03
kiiseegen
4
小説では12篇あるうちの「桜田門外の変」と「花屋町の襲撃」2篇。後半登場の後家鞘彦六はマイドーム大阪の側に顕彰されてる方。原作でも御気に入りの1篇。2021/06/25
もくもく
1
原作の小説では12の短篇で幕末の暗殺史を俯瞰し、その あとがき で著者は「暗殺者が歴史に寄与したか」と自問し「ない」と断言しています。不思議な暗い高揚感で本編を読了した後に あとがき を読んで、著者にその高揚感を否定されたような、不思議な気分になったものです。本書では12の短篇のウチから、タイトル通り「桜田門外の変」を描いた一編と、竜馬暗殺とその復讐を描いた「花屋町の襲撃」をコミカライズしていて、しっかりと面白く、暗い高揚感を感じるのですが・・・あとがき が無いんだよなぁ…。(^o^)2021/12/07