内容説明
カントは,「善く生き」,その結果「幸福」になる「最高善」と,政治的最高善としての「世界平和」が,どうしたら実現できるか生涯考え続けました.『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』『永遠平和のために』を一緒に読み,自分にとっての幸せとは何か,考えてみよう.「自分で考える」ことは,大人への道なのです.
目次
はじめに 「自分で考える」って?┴1章 港町・ケーニヒスベルクの哲人┴1 大学生のカント┴2 ケーニヒスベルクとカントの家庭┴3 大地震とロシアによる東プロイセン占領┴4 沈黙の10年┴5 三批判書と批判哲学┴6 晩年のカント┴2章 「自由」なくして善悪なし 『純粋理性批判』を読む┴1 〈いちばん善いこと〉よりもっと善いこと┴2 その〈善いこと〉は誰にとっても善いはずだ.しかし……┴3 コペルニクスの思いつき┴4 感じることと考えること┴5 意志の自由を救い出せ┴6 現象と物それ自体┴[コラム]最上善と最高善/ア・プリオリとア・ポステリオリ┴純粋悟性概念の超越論的演繹/悟性と理性┴神の現存在証明という問題┴3章 〈善く生きる〉って難しい? 『実践理性批判』を読む┴1 善と悪を分けるもの┴2 意志への問い┴3 道徳法則・定言命法・幸福┴4 定言命法のいくつかの表現┴5 自由のリアリティー┴6 最高善という問題┴[コラム]善い意志だけが無制限に善い/自由と善く生きること┴最高善と神の問題┴4章 自然の世界で自由に生きる? 『判断力批判』を読む┴1 個物との出会い┴2 判断するということ┴3 美の経験┴4 崇高の経験┴5 「目的論的」という見方┴[コラム]『判断力批判』の位置づけ┴5章 最高善をめざす私たち 『永遠平和のために』を中心に,1790年代のカントを読む┴1 人間には悪が巣くっている!┴2 権利の領域を確立せよ┴3 政治的最高善としての永遠平和┴4 人間として善く生きるとは?┴[コラム]社会契約論とカント┴おわりに 再び「自分で考える」って?┴カント年譜
感想・レビュー
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樋口佳之
まさむ♪ね
壱萬弐仟縁
Ex libris 毒餃子
またの名