岩波文庫<br> 詩人・菅原道真 - うつしの美学

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岩波文庫
詩人・菅原道真 - うつしの美学

  • 著者名:大岡信
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 岩波書店(2021/05発売)
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  • ISBN:9784003120248

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内容説明

日本の文化伝統のなかには「うつしの美学」がきわめて深い根拠をもって生きている.「うつし」とは「移し」.すなわち,あるものを別のものに成り入らせ,その動勢と調和に美を見出す精神の活動である.菅原道真の詩は,その「うつし」が生んだ,最もめざましい古代的実例であった.和歌の詩情を述志の漢詩に詠んだ詩人を論じる.(解説=蜂飼 耳)

目次

はじめに 「うつし」序説┴1 写実主義はなぜ勝利しなかったか┴2 「うつし」という言葉┴3 「移し」という行動的理念┴4 「移り」 蕉風俳諧の重要な概念┴5 「なぞらえる文学」┴6 異質なものの連結┴7 漢詩人・菅原道真┴Ⅰ 菅家のうつしは和から漢へ 修辞と直情 その一┴1 菅原道真研究史┴2 漢と和の統合┴3 『新撰万葉集』の「うつしの美学」┴4 漢詩の修辞と和歌の修辞┴5 「述志の詩」としての漢詩文┴6 実用的な写実的な散文精神┴Ⅱ 修辞のこうべに直情やどる 修辞と直情 その二┴1 「詩を吟ずることを勧めて,紀秀才に寄す」┴2 「阿満を夢みる」┴3 「中途にして春を送る」┴4 「花鳥」と悲愁┴Ⅲ 詩人の神話と神話の解体 修辞と直情 その三┴1 「寒早十首」┴2 道真追放の理由┴3 貧苦の描写┴4 白居易「春の深きに和す」┴5 同時代人・菅原道真┴Ⅳ 古代モダニズムの内と外┴1 詩人の達観┴2 漢詩文から大和言葉文芸へ┴3 大宰府における道真┴4 「奥州なる藤使君を哭す」┴5 「叙意一百韻」┴6 漢語世界と叙事的精神への接近┴あとがき┴解説 菅原道真を現代へ連れてくる……………蜂飼耳