内容説明
私たちの親が信じたのは、オウム真理教、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会だった……。ごく普通の家庭にカルト宗教が入り込んだとき、子どもはどんな影響を受けるのか。教団のなかで、家庭で、何が起きているのか。カルトの子どもたちによる壮絶な証言の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
104
親がカルトにのめり込んだ子供たちの物語である。生まれてきたら 親がカルトに入っていた子供たち…正直カルトにのめり込む心情が 理解できないために、献身の異常さに 戸惑いを隠せない。 閉ざされた世界で洗脳された子供たちは どんな日々を強いられてきたのか… 四つの事例を丹念に取材した労作である。2023/02/10
たまきら
45
2004年に出版された本が土台になっています。オウム真理教をはじめさまざまなカルト宗教のもとで子ども時代を奪われた人たちによりそった渾身のルポは、正直 読みにくいです。けれども目をそらしてはいけないと思います。最近は二世の人たちが発言をするようになってくれていますが、それまではここで紹介されているようなこどもたちの血を吐くような証言は他では読めなかったのではないでしょうか。もっと知られるべき現実だと感じました。2023/03/28
チャッピー
39
2000年に出版された本の復刊。オウム、エホバ、統一教会、ヤマギシ会の信者の子供として生まれ育った子たちのルポ。信教の自由が認められている国で子供たちは何も選択する余地もなく育てられる上に虐待まで受けている。未来を担う子供たちの扱いが酷すぎて信じ難い内容だが、自分が知らなかっただけでこれが現実なのだろう。ヤマギシ会の子供たちが書いたアンケートが物語る。初版から20年経っているが、現状はどうなんだろう。2021/06/02
それいゆ
26
2004年に発行された文庫本を底本にしたと書かれていますが、オウム真理教の事件の影響でエホバの証人も統一教会もヤマギシ会も忘れ去られてしまい、安倍元首相の暗殺事件が起こった結果、急にカルト宗教に目が向きはじめ、旧統一教会に質問権を行使するまでに至ったということですね。20年遅かったのでは。オウムもエホバも統一教会もヤマギシ会も、これらの子どもたちの雰囲気は共通項だらけだと改めて気づいた次第です。2022/11/23
テツ
21
本人が思考を放棄して何に身を委ねようがそれは自由だ。どれだけ荒唐無稽なアホ臭いシロモノだろうが、鰯の頭だって時には信心になる。それはいい。本人の好きにしたらいい。ただその手の人間は自分が全てを委ね全てを差し出した尊き存在への帰依を自らのこどもに要求しがちなのが問題なんだよな。宗教二世の問題に限らないがこどもは親に従属する存在ではない。洗脳も啓蒙もあってはならない。親に許されるのは一人でメシを確保できる力を身につけるまで庇護することだけ。ただそれだけ。ガキから何かを奪ってはならない。人生を歪めてはならない。2023/04/12