内容説明
筆者は、学校に関連して死んでいく子どもたちの死因を「学校死」と定義したうえで、当事者を取材する。そこから見えてきたものは、学校が生徒を見殺しにしている実態であった。「学校死」は、どうすれば減らすことができるのか。その方法を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
20
学校が子どもを殺すときー「教える側」の質が劣化したこの社会で。渋井哲也先生の著書。学校が子どもを殺すなんてあってはならないこと。「教える側」の質が劣化したとしたら教える側の責任で子どもたちの責任ではないのは当然。でもその責任をすべて教える側の学校関係者になすりつけるのは違うと思う。「教える側」の質が劣化したとしたら「教える側」の質が劣化しただけの理由があるはず。それは「教える側」への処遇や配慮が足りないのかもしれない。批判するの簡単だけれど社会全体で改善策を考えないといけない。2022/10/29
scarecrow
4
子を持つ親として学校で楽しく生活できているかは最大の心配事だ。本書では、不幸にしていじめによって自ら死を選んでしまった子供達の話だ。どの事例においても、学校側の対応のお粗末さには呆れてしまう。だが、新型コロナでの政府の対応も同じで、彼らには有事の対応がほとんどできないのだ。何事もなく平穏無事な状況の時だけ機能している組織なのだ。また、いじめる側が否認している場合に、アンケートによる証言のみで、物証もなく、自白もない場合には、どうするのだろうか。防犯カメラでや盗聴でもないと無理なのかあと暗澹たる思いになる。2020/09/18
とちち
2
胸くそ悪い…体調崩すほど胸くそ悪い…。実際体調が悪くなった。でも、読むのは義務と思った。すべての大人の。「葬儀の際に…携帯電話のカメラ機能を使って自死した生徒の棺桶の中を撮影しようと」する加害生徒にどんな指導や言葉が届くのだろう。何百年もかけて手にいれた、教育を受ける権利を体現するはずの学校が、いまや苦しい場所に。真矢くんの正義感を守れなかった大人って、なにやってんだろう…それでも、勇気をもって行動する人物も登場することだし、また考えて、俺なりに行動してみるよ。2020/11/25
ジャンルバルクイネー
0
なぜ教育委員会や学校は、事実を認めずもしくは隠蔽し、責任逃れをするのだろう?生徒が亡くなっているのに保身に走ることは、ほとんどの事案で確認される。被害者遺族は更なる被害に遭う。悲しすぎる。子どもの自殺は増えている。最近はいじめより教師の指導によるものが多いらしい。学校へ行くことは安全ではなくなっている。2023/11/14