内容説明
患者を人間として評価しない、病気の専門家に徹するなど、技法よりもトラウマに向き合う治療者の姿勢に焦点を当てて解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
20
仕事に行き詰まった時に、著者の社会不安障害について一般向けに書かれた本を読んだ。すっきり解決とはいかないが、制御不能な不安が生じるメカニズムが理解できただけで随分楽になった。この本も、治療者としての真摯なアプローチに好印象を持った。アセスメントをしているつもりてクライアントをジャッジメントしてはいないか、全ての支援関係において厳しく点検する必要がある。とても有益な本だった。2022/09/30
横浜中華街2024
16
著者は「対人関係療法」専門の精神科医。著者の本の中で広く読まれているだけあり、一読すれば専門家でなくてもトラウマについてさまざまなことが理解できる。サブタイトルの「ジャッジメントを手放すということ」が本書の中核とも言える。「(トラウマ体験者としての自分は)とても適応が大変な変化ではあったけれども、自分自身に傷がついたわけではなく、自分は大変な変化を乗り越えながらもプロセスを前進している存在なのであり、そこにジャッジメントを下すことには何の意味もない、と心から知ることが、「ゆるし」ということなのだと思う。」2022/02/26
ぽぽ
1
文庫版あとがきが秀逸。2022/05/18