イスラーム神学における信の構造 - イーマーンとイスラームの意味論的分析

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イスラーム神学における信の構造 - イーマーンとイスラームの意味論的分析

  • ISBN:9784766424584

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内容説明

▼1000年にわたるイスラーム神学論争! 『井筒俊彦英文著作翻訳コレクション』第四弾。

イスラーム思想史・神学史を考える上で最も興味深い7世紀末から18世紀にいたるまで、個人的・実存的な「信じること」や「信仰」のあり方が、いかに理性のフィルターを通し、概念化されていったのかを辿る。ときに学派間に烈しい議論をまきおこしながら、精緻な理論へ練り上げられていった、1000年にわたる壮大な神学論争を、意味論的手法を用いて鮮やかに分析、生き生きと描出する。

目次



第一章 不信心者カーフィル(k fir)
 一 ハワーリジュ派とカーフィルの問題の起源
 二 ハワーリジュ派のクフル概念
 三 ハワーリジュ派思想の基本構造

第二章 タクフィール(takf r)の概念
 一 恣意的なタクフィール行使の危険性
 二 ガザーリーによるタクフィール理論

第三章 重罪人ファースィク(f siq)
 一 重罪カビーラ(kab rah)の概念
 二 重罪人ムルタキブ・カビーラ(murtakib al-kab rah)

第四章 イーマーン( m n)とイスラーム(isl m)
 一 イーマーンとイスラームの連関
 二 イーマーンはイスラームと同一か

第五章 信という概念の本質的構造
 一 ムルジア派とイーマーンの問題
 二 イーマーンの本質的構造

第六章 信と知
 一 イーマーンの定義における「知」の優越性
 二 理性と啓示
 三 他人の権威による信イーマーン・ビ・タクリード( m n bi-al-taql d)
 四 イーマーンのあり処

第七章 是認としての信
 一 知と是認
 二 アシュアリーのイーマーン論

第八章 信ずることと言葉で告白すること
 一 タスディークとイクラールのどちらが重要か
 二 カッラーム派によるイーマーン論

第九章 信と行
 一 ムウタズィラ派とムルジア派
 二 イブン・タイミーヤのイーマーン論
 三 イーマーンの増減

第十章 私は信ずる者だ。もし神が望み給うならば。

第十一章 イーマーンの創造
 一 起源
 二 アシュアリー派の立場
 三 マートゥリーディー派の立場
 四 クフルの創造

結 論
 ?
附録 アブー・アブドゥッラー・ブハーリー「信の書」(『正伝ハディース集』より)
 ?

解 説
監訳者あとがき
参考文献
索 引……事項索引/アラビア語用語索引
       人名・著作名索引/クルアーン引用索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

7
イスラームの信仰共同体は歴史的に見ても一枚岩ではなく、今も各派間の対立が存在する。そこで著者は、イスラームの信仰の特徴を中立的に検討するために、まず千年間に書かれた50冊の資料から信仰に関わるキーワードを抽出し、意味論分析にかけて各時代のそれら語群の相関の仕方を調べる。さらにそれらを「信」(イーマーン)に関する相反(信/不信)、含意(信/不信ではない)、矛盾(信/信ではない)の3項関係からなる「意味の四角形」(グレマス)に振り分け、信仰を意味体系に構造化する。各派はこの「信」のシステムにおいて平等である。2021/02/02

こずえ

1
最近読んだんだけどまだ意味がよくわかってない(マジで2018/04/08

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