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内容説明
ナイジェリアには、中国人の酋長が何人もいる。例えば中国国有企業の現地支社に勤める27歳の李満虎は、現地の権力者からの要望で突然地元部族の酋長になった。ナイジェリアと中国との関係が濃密であることの証左といえよう。中国に親しみを持つ国は、他にもセルビア、エチオピアなど多数存在する。だがその一方、中国ではなく台湾と国交を結ぶカリブ海の小国など、中国に対抗する姿勢を貫く国もある。本書は大国と相対する12か国のリアルを活写。京都精華大学学長ウスビ・サコ氏、「職業はドイツ人」コラムニストのマライ・メントライン氏との対談、さらに孔子学院への潜入記も収録。【内容例】vs.イスラエル――サイバー外交に水を差す「開封のユダヤ人」問題/vs.カザフスタン――「一帯一路のスタート地点」が直面する新疆問題/vs.オーストラリア――スパイとコロナ禍で「蜜月」から「対立」へ/vs.カナダ――中国が民主主義社会をハックする/vs.スリナム――客家と秘密結社と華人大統領 etc.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
ナイジェリアで酋長になった中国人。というあまりにもインパクトの強すぎる粗筋に惹かれ読み始める。本書は世界第二位の経済大国となった中国、それらに対し各国がどのような内情を抱えまた利用し利用されるかを描いた一冊となっている。友好から敵対へと変化したオーストラリアやカナダ。周囲との関係から中国と離れられないパキスタンにセルビア。国内問題に直結するカザフスタンにエチオピアと様々な国が中国という圧力と対峙している様は実に読ませる。孔子学院潜入記も妙な緩さがあって面白いし。国際関係は複雑怪奇というのを実感できました。2026/01/16
すしな
39
060-26.日々目にする報道は邦人の拘束や軍事的な威嚇など直面している脅威に注目しがちですが、本書が描くのは世界規模で構造を塗り替える中国の「森(グローバル戦略)」です。また、著者が第三国の取材から中国の等身大の姿を浮き彫りにした手法にも感銘を受けました。隣国だからこそ感情論に陥り、見えなくなる部分があります。あえて世界という鏡を通して中国を冷静に観察する「メタ視点」こそ、これからの日本が感情に溺れず、国際社会で賢明に立ち回るために不可欠だと強く感じました。2026/07/18
まると
24
「八九六四」を書いたルポライターの著者が、良くも悪くも中国と縁の深い国のことをあれこれと書いている。最初のイスラエルに「帰還」した「開封のユダヤ人」の話は興味深かったが、他はさして驚くべき内容はなく、まとまり度の高いガイドブック風の書きっぷりです。それもそのはず、コロナ禍で現地に行けていないのだから、独自のエピソードに乏しくて当然。それは著者も承知しており、あとがきで「未来の仕事の準備ノート」とも記している。その辺は「さいはての中国」など過去の新書で面目躍如しているのだろうが、全体に食い足りなさは否めず。2021/07/14
サケ太
24
『現代の世界で、中国人の姿をまったく見ない国はほとんど存在しない。』各国から見た中国の姿。イスラエル、ナイジェリア、カザフスタン、エチオピア、オーストラリア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セルビア、カナダ、パキスタン、スリナム。知ってる国からマイナーな国まで。日本から見える、漠然と抱いていた中国のイメージは他国にとってどういうものか。反発、迎合、不審、信頼。実際の動きやその国出身の人たちから見える考え方。コラムの『孔子学院をスパイする』には笑ってしまったが、中国語を学びたくもなってしまう。2021/05/27
Toska
13
「世界が中国を見る目」というと欧米マスコミの見解で事足れりとされがちな中、敢えてアフリカや中南米、イスラエル、パキスタンなどに突っ込んでいくのがこの著者らしいところ。対外関係でお高くとまってしまう日本に対し、中国は欲得と好奇心丸出しで相手の懐に飛び込もうとする。そのため、例えばアフリカとの関係作りで日本は中国の足元にも及ばない。他方、極度に強引かつ独善的な中国の姿勢が顰蹙を買う場合も多く、そういう意味では外交下手。ともあれ、ほんとにパワーのある国だということがよく分かる。2023/01/12
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