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内容説明
陰謀論より現実の敵、中国とロシアを直視せよ! NATO(北大西洋条約機構)には、世界で他に例のない実績がある。加盟国の本土が70年間、武力攻撃を受けたことがないという点だ。世界史において、複数の国が加盟する同盟の全構成国が70年も平和でいられた、というのは奇跡に近い。本書は冷戦から現代まで「世界最強の軍事同盟」をめぐる実例を紹介し、日本が学ぶべき国防の努力について考察する。現在、アメリカが率いる自由・民主主義陣営と、中国・ロシアが率いる独裁主義陣営の「新冷戦」が鮮明になりつつある。著者の祖国ウクライナは2014年、掛け替えのない領土クリミアをプーチンによって奪われてしまった。ロシアと同様、中国の習近平もいま尖閣諸島という日本の領土を狙っている。独裁主義国家による侵略を防ぐには、軍事力の強化と併せて堅固な同盟関係を構築しなければならない。日本を愛するウクライナ人の国際政治学者が記す覚醒のメッセージ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
47
ウクライナがNATOに加盟するのは現実には難しいと思いますが、もし実現していたら、ロシア軍のウクライナ侵攻もなかったかもしれないと本書を読んで実感しました。ロシアの主張する「中立化」とはロシアの属国化であり、ロシアに隣接するウクライナはロシアの緩衝地帯となるので、今後も紛争は避けられないでしょう。ウクライナ問題は日本にとって他人事ではなく、国防問題を考え直す好機になると思います。2022/03/31
Aster
40
為になったしある程度世界の今が分かった気がする。でもNATOの紹介は程々に、特に後半の殆どは冷戦後の東欧諸国の話だった。かなり面白かったけどね。2022/08/12
Jun Sasaki
26
自由な食生活を守るために、価値観を共有する国々が手を結んだ同盟。異文化による侵略あらば、同志のためにそれを阻止する・・・NATTO。え?違うの!? 冗談はともかく、読むのに骨が折れましたよ。ウクライナと日本は中露の独裁勢力に対する民主勢力の前線であること。国境で対峙することのない西欧の感覚でものを判断してはいけないこと。ところで、領土紛争中ということになっている日本はNATTO、もといNATOに加盟できるのかしら。2022/04/06
白河清風
20
筆者は日本への留学経験のあるウクライナの国際政治学者だ。この本は戦争の始まる前年に上梓された。第1章で平和維持装置としてのNATOを絶賛し、第2章で国際政治では何かを実行する時、条件が揃わないと何もできない事を解説しNATOがどのようにソ連を潰したのかを解説する。第3章では東欧州を中心に欧州情勢を紹介しながら独裁主義と自由主義の対立について分析する。これらを踏まえ最終章で、具体策は示されないが、日本は安全保障を米国に頼るだけではなく、TPPを安全保障体制に昇華させ、将来的にはNATOとの合併を提案する。 2023/08/10
aisapia
14
著者がプーチン、ロシアが大大大嫌いだということはよくわかった。ただ書き方も結構過激なので、この人物の言っていることをすべて信用できるかと言われるとちょっと難しいかな…。アメリカはお人好しじゃないと思うし、日本も北方領土を取り返すために軍事訓練をした方がいいってのもちょっとどうなんだろう…。ウクライナ問題が渦中ですが、この地域は遠いこともあり本当に知らないことが多い。もっと勉強しなければと思った。2022/04/19