内容説明
「映画的思考」とはなにか? 常に新しく鮮鋭な精神――19世紀末の象徴主義者の音楽的思考が、20世紀前半期における超現実主義者や抽象芸術家の絵画的思考や幾何学的思考に席をゆずったとすれば……。アヴァンギャルド芸術の否定の上に立つ、新しいレアリストは、映画的思考の持主かもしれません。「映画」やその周辺を語ることにより、真に新しい思考を導く、常にインターナショナルである著者の、鮮鋭な名エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
めんま
21
観念や心理、セリフの描写のような文芸に範を取ったような映画を小馬鹿にし、映画の本質はアクションにあると断言するところなど、1950年代の批評家としては珍しい観点を示している。他にも花田清輝らしいひねくれた物の見方、洒脱な文章が楽しめる。2021/10/03
mstr_kk
6
どこを切っても花田清輝。この話の巧みさ、スカッとした頭のよさは何でしょう。感想とかはもはやないので引用を。「われわれの現在の課題は、完全な協力者のなかにさえ、そのようなミニマムの抵抗の芽をみつけだし、それを、マキシマムの抵抗にまで拡大強化していくことにあるのではなかろうか」。2024/08/30
amanon
4
取り上げられている映画の殆どが未見なのにも関わらず、ここまで引き込まれて読めてしまうというのは何なのだろう…と今更ながらに不思議。巻末の川本三郎の解説にもある通り、かなりアグレッシブに相手をこき下ろしたり、毒舌を浴びせているのだけれど、でもなぜか陰湿さや露骨な攻撃性を感じず、どこか爽やかさえ覚える。色々な人と論争を重ねてきたとのことだが、そん論争相手にそれほど禍根を残さなかったのでは…とつい想像してしまう。正直言って、その内容の理解度は心許ないのだけれど、でも、著者の独特の語り口に浸っていればいい。2025/12/31
静かな生活
1
Review Scores 80/100:荒削りだが、今なお批評的。ちょっと蓮實重彦っぽいというか明らかにそれの先駆け的存在。20世紀と比べて21世紀はモンタージュが氾濫している。2024/01/13
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