インド民主主義の発展と現実

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インド民主主義の発展と現実

  • ISBN:9784326301959

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内容説明

2009年の連邦下院選挙結果は、1989年以降低迷していた国民会議派が勢力を盛り返してきたことを示している。第1党の座を譲るところまで落ち込んだ勢力をここまで回復させた要因は何か、そしてそれはインドの民主主義にとって何を意味するのか。今後のインド政治のゆくえを考察する。

目次

まえがき
インド州地図/第15回インド連邦下院選挙結果/(州別)基礎統計データ
語句一覧

第I部 総論

第1章 統一進歩連合政権の5年間[三輪博樹]
 1.統一進歩連合政権と左翼戦線
 2.多党化の中での会議派の政局運営
 3.政権の政策実績の重要性

第2章 第15回連邦下院選挙の概要[北川将之]
 1.選挙日程と新選挙区
 2.有権者と投票率
 3.候補者と当選者
 4.政党別の選挙結果
 5.選挙区割りの影響

第3章 第15回連邦下院選挙の位置づけと今後の見通し[広瀬崇子]
 1.政党の特質の変化
 2.連合政治の変化
 3.選挙民の選択

第II部 政党の動向

第4章 国民会議派[佐藤宏]
 1.国民会議派,単独路線に復帰
 2.会議派の選挙戦における世代とメディア
 3.会議派勝利の構図:前回選挙との比較
 4.会議派政治の展望

第5章 インド人民党と協力政党[中津雅昭]
 1.はじめに
 2.2004年連邦下院選挙後における党組織の不安定化
 3.行き詰まる選挙戦
 4.選挙結果
 5.今後の課題

第6章 共産党(M)と左翼戦線,「第三勢力」の動き[上田知亮]
 1.なぜ「第三勢力」が結成されたのか?
 2.第三勢力の構成政党
 3.選挙戦と「第三勢力」の成立?
 4.選挙結果と分析

第7章 北部諸州の政党[近藤則夫・伊藤融・三輪博樹・大工原彩]
 1.民族ローク・ダル
 2.多数者社会党
 3.社会主義党
 4.JK民族協議会
 5.アカーリー・ダル
 6.ハリヤナ人民会議派(バジャン・ラール派)

第8章 東部・北東部諸州の政党[上田知亮・豊田秀夫・木村真希子・北川将之・関口真理]
 1.ジャナタ・ダル(統一派)
 2.民族ジャナタ・ダル
 3.ビジュ・ジャナタ・ダル
 4.ジャールカンド解放戦線
 5.ジャールカンド開発戦線(プラジャタントリック派)
 6.全印草の根会議派
 7.アソム人民会議
 8.アッサム統一民主戦線
 9.ナガランド人民戦線
 10.ボドランド人民戦線
 11.シッキム民主戦線

第9章 西部諸州の政党[小川道大]
 1.民族主義会議派
 2.シヴ・セーナー
 3.自愛党
 4.多数者開発戦線

第10章 南部諸州の政党[笠井亮平・池亀彩・志賀美和子・三輪博樹]
 1.テルグ・デーサム党
 2.テランガーナ民族会議
 3.ムスリム評議会
 4.ジャナタ・ダル(世俗主義)
 5.ドラヴィダ進歩連盟
 6.全印アンナ・ドラヴィダ進歩連盟
 7.復興ドラヴィダ進歩連盟
 8.解放パンサー党
 9.ムスリム連盟
 10.ケーララ会議派

第III部 主要争点

第11章 経済政策[久保木一政]
 1.前回の連邦下院選挙後から今回までの状況の総括
 2.今回の選挙での政策上の争点と,それが選挙結果に及ぼした影響

第12章 国防・外交政策[中西宏晃]
 1.会議派と野党勢力(インド人民党・共産党(M))の選挙綱領の概観
 2.重要なイシューに対する各党の見解の違い

第13章 テロ対策[伊藤融]
 1.インドにおけるテロの特質
 2.ムンバイ同時テロ事件の衝撃
 3.第15回連邦下院選挙戦における各党の「テロ対策」
 4.「テロ対策」が選挙に及ぼした影響

第14章 福祉政策[村山真弓]
 1.はじめに
 2.第1次統一進歩連合政権の福祉政策
 3.主要政党の福祉政策綱領
 4.NREGA効果
 5.おわりに

ほか