パブリックアート政策 - 芸術の公共性とアメリカ文化政策の変遷

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パブリックアート政策 - 芸術の公共性とアメリカ文化政策の変遷

  • 著者名:工藤安代
  • 価格 ¥4,180(本体¥3,800)
  • 勁草書房(2021/05発売)
  • ポイント 38pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326301751

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内容説明

アメリカ文化政策の歴史的推移をふまえ、世界のパブリックアート政策を牽引してきたアメリカの70年にわたる実践を公益性・公共性・芸術性から検証した基礎的研究。制作する芸術家、観衆であり税負担者でもある市民、政策実施者としての行政。この三者による各々の要求の相互作用とそこから帰結される政策評価・立案の循環に焦点を当てながら、アメリカのパブリックアート政策が単なる芸術支援にとどまらない総合的文化政策として世界的に注目され重要性が高まってきた経緯を歴史的に明らかにする。

目次

はじめに
図表一覧
写真一覧

序章 パブリックアートと公共性議論――問題の背景と日本の現状
 1 パブリックアートの公共性をめぐる議論
 2 問題の背景:日本のパブリックアートの特殊性と課題
 3 本書の構成

第I部 アメリカ・パブリックアート政策の変容

第1章 パブリックアートの萌芽――ニューディール期の芸術政策
 1 ニューディール芸術政策の目的
 2 芸術政策の概要

第2章 パブリックアート政策の確立――全米芸術基金(NEA)による政策の推移を中心として
 1 芸術文化への公的支援とアメリカ文化政策の特徴
 2 文化政策の形成期:1950年代
 3 パブリックアート政策のはじまり:1960年代
 4 地方分権化とパブリックアート政策の拡大:1970年代での変化
 5 パブリックアートの普及:1980年代
 6 1960年代から80年代におけるパブリックアート政策の変容

第II部 パブリックアート政策批判と政策転換点

第3章 1980年代の政策転換とその課題
 1 1980年代パブリックアートの機能主義への批判
 2 リチャード・セラ『傾いた弧』をめぐる大論争
 3 リチャード・セラ『傾いた弧』論争の整理

第4章 オルタナティブなパブリックアートの形成――ニュー・ジャンル・パブリックアート理論
 1 パブリックアートの新動向の形成
 2 芸術活動と社会の接近
 3 オルタナティブ・パブリックアートの諸相
 4 「親密圏」としてのオルタナティブなパブリックアート
 5 オルタナティブなパブリックアートの公益性と政府政策への影響

第5章 パブリックアートの政策統合
 1 「コミュニティ・アート」プログラムの開始と「公共空間アートプログラム」の終焉
 2 市民への配慮と建築デザイン融合型作品:1990年代におけるGSAパブリックアート政策の変化
 3 現在の「建築アートプログラム」の指針

第III部 現代アメリカ都市の実践

第6章 現代パブリックアート政策の概要――「アートのための%」プログラムを中心として
 1 「アートのための%」プログラムの概要
 2 パブリックアート・プログラムの内容

第7章 地方都市パブリックアート政策の成立と現状
 1 歴史的文化アイデンティティの構築と非営利セクターの役割:フィラデルフィア市
 2 創造的都市の形成とパブリックアート政策:シアトル市
 3 マルチ・パブリックと社会統合:ロサンジェルス市
 4 結論

終章 パブリックアート政策の公益性の変容とその展望
 1 文化政策としてのパブリックアート政策とその社会的公益
 2 アーティストへの便益と芸術表現への影響
 3 現代のパブリックアート政策の課題と展開

参考文献
あとがき
人名・事項索引

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