- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
戦後国際人権保障の枠組みは国連を中心に発展してきた。欧州、米州、アフリカにも地域的な人権レジームがあり、アジアでもASEANに人権監視機関を創設する動きがある。人身売買という特定分野ではメコン河流域5カ国がこの分野で世界初の地域協定を成立させた。このような背景をふまえ、アジアにおける人権ガバナンスの可能性を模索する。
目次
刊行にあたって[天児慧]
はじめに[勝間靖]
略語一覧表
第1部 国際人権規範の地域的な促進と実施
第1章 アジアにおける人権レジームの構築――グローバル人権規範の受容とASEAN人権委員会[勝間靖]
第1節 国際人権レジームとは
第2節 国連を基盤としたグローバルな人権レジームとアジア
第3節 地域的な国際機構を基盤とした地域人権レジームとアジア
第4節 アジアにおける国際人権レジームとネットワーク
第2章 女性の権利をめぐる東南アジアの地域的な取組み――ASEAN女性と子どもの権利委員会[中川香須美]
第1節 女性の権利擁護へ向けた歴史的背景
第2節 女性の権利擁護のための国際的な枠組み
第3節 ASEANにおける女性の権利擁護のための取組み
第4節 カンボジアにおける女性の権利擁護のための枠組み
第5節 アジアにおける女性の権利擁護のための今後の課題
第3章 地域的子どもの権利保障メカニズムの実現に向けて――北東アジア子どもの権利革命宣言[森田明彦]
第1節 北東アジアにおける子どもの権利保障の現状
第2節 地域的子どもの権利保障メカニズム実現のための課題と戦略
第3節 『北東アジア子どもの権利条約』の実現に向けて
第4章 アジア太平洋における障害者の人権――障害当事者による人権の確立を目指して[中西由起子]
第1節 障害当事者団体のはたらき
第2節 『障害者の権利条約』策定への貢献
第3節 アジア各国における障害者差別禁止法
第4節 「アジア太平洋障害者人権審査機関」設立構想
第5節 障害者の権利推進のための新10年(2013~2022年)
第2部 人権の主流化とネットワーク形成
第5章 アジア開発銀行と人権――開発における人権の保障をめぐる現状と課題[藤田早苗]
第1節 国際開発金融機関と人権に関する議論の潮流とアジア開発銀行
第2節 加盟国の人権状況とアジア開発銀行(ADB)
第3節 アジア開発銀行(ADB)の政策と人権の尊重・保障
第4節 今後の課題
第6章 子どもの性的搾取に反対する国際ネットワークの形成――当事者を中心とした「子どもの権利」ガバナンスの模索[勝間靖]
第1節 「子どもの権利」をめぐる国際規範とその実施
第2節 グローバル化における子どもの商業的な性的搾取の現状
第3節 国際NGOと国連との連携
第4節 行為主体としての当事者――カンボジアの事例から
第5節 東南アジアにおける「子どもの権利」ガバナンスの模索
第7章 難民の権利を守るための地域ネットワーク――アジア市民社会の動きを中心に[松岡佳奈子]
第1節 アジアにおける難民の状況
第2節 アジア各国における難民受け入れの現状
第3節 アジアにおける難民保護へ向けたNGOネットワーク
第4節 アジアにおける難民保護への可能性
第8章 先住民族ネットワーク――アジアの草の根運動と国際人権システムを架橋する[木村真希子]
第1節 アジアにおける先住民族と国際的な権利運動への参加
第2節 国連人権機関におけるアジア先住民族の参加
第3節 アジア先住民族ネットワークの形成
第4節 アジア先住民族ネットワークの活動
第5節 評価と課題
第3部 深刻な人権侵害の解決へ向けた地域協力
ほか