内容説明
入会林野近代化法施行に伴う入会林野整備事業の実施以降、いわゆる土地開発により入会地をとりまく事情も大きく変化し、入会権についての紛争も多く見られるようになった。一層の研究、理論の組み立てが必要とされるに至った入会権につき、本書の検討は、条文制定の経緯から入会地の実態、入会権に関するさまざまな判決にまで及ぶ。
目次
はしがき
第一章 入会権とは――沿革と意義――
一 入会とは何か
二 入会地の沿革――成立過程
三 近代土地法制の展開
四 民法制定と入会権
五 入会権の意義と権能
六 二つの入会権
七 入会地に対する政策
第二章 入会権の主体――入会権者とは――
一 入会権の主体――集落と住民
二 入会持分権の得喪
三 入会権利者としての地位喪失
四 要約
第三章 入会権の客体――入会地の種々相――
一 入会権の客体（対象）としての土地
二 入会地の利用目的
三 入会地の利用形態
四 入会権（財産）の総有的性格
第四章 入会地盤所有権の帰属
一 入会権と土地所有権
二 入会地盤の所有名義
三 大字、区有（市町村有を含む）名義
四 法人、社寺有名義
五 個人所有名義
六 入会地盤所有権の登記請求
第五章 入会権と地盤所有権
一 公有地上の入会権
二 国有地上の入会権
第六章 入会権の管理・変更・処分
一 入会権の管理と保持
二 入会権の変更
三 入会地の処分（解体・放棄）
四 入会地の貸付け・売却
第七章 入会権の発生・解体・消滅――入会地であるか否か――
一 入会権の発生
二 入会権の解体・消滅
三 地役入会権の解体・消滅
第八章 入会裁判の当事者
一 入会裁判の諸形態
二 集団入会権確認訴訟
三 集団入会権確認以外の訴訟
おわりに
判決・決定索引
事項索引
