内容説明
カントの哲学は出来上った完成品のように考えられているが、そうではない。本書は『純粋理性批判』の読解を中心に、カントの主要テーゼである「超越論的観念論」とそれを基礎づける『超越論的演繹論』が何であり、その議論は成功しているのかどうかを精査する。「目から鱗」の発見もあって、カントが一層身近かになる。
目次
はじめに
I 超越論的観念論をめぐって
第一章 現実存在の意味的構成──超越論的観念論の含意
第二章 存在に関するカントのテーゼ──超越論的観念論との一致
第三章 もう一つの「観念論」論駁──超越論的観念論の射程
第四章 デカルト「観念論」の論駁──超越論的観念論の存続
II 超越論的演繹をめぐって
第五章 超越論的な総合について──『批判』第二版演繹論の一面
第六章 〈かたち〉ある物の経験について──超越論的哲学による解明の試み
第七章 妄執としての自我──超越論的哲学の自我論の一面
第八章 客観の次元──ヘンリッヒの演繹論解釈を手がかりに
第九章 自己意識の構造──ヘンリッヒの演繹論解釈を手がかりに
付録 原理としての自己意識──ヘンリッヒの演繹論解釈の意義
後書き
索引
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