内容説明
コンピュータによって計算できることとできないこと。計算とはいったい何かという問いは、「人間は機械なのか」という問いにつながっている。世紀末になってやっとはじまった適応と遺伝による生命の計算にもチューリングの貢献は大きなものがあった。彼のはじめた問いと受け継がれなかった問いを手がかりにしながら、生命と死を考える。
目次
まえがき
第1章 チューリング・テストというゲーム
機械生命を査問する
批判と反論
チューリング・テストの初心と現代的意味
第2章 人工知能・人工生命の夢
人工知能事始め
ドレイファス批判
フレーム問題
記号着地とニューラルネット
チューリングのニューラルネット
進化する機械は生命に至るか?
ロボット脳の進化計算
人工生命
第3章 チューリング・マシンは全能ではない
コンピュータの出現
数学の危機
チューリング・マシン
計算できないものとは何か?
超自然数の世界
計算不能から計算可能な世界へ
第4章 エニグマ暗号を解いたチューリング・ボンベ
エニグマ暗号機とチューリング・ボンベ
チューリング・ボンベは計算可能か?
恒等回路の一般化
自己改変する回路
チューリング計算限界を超えるコンピュータ
第5章 論理と生命と死
自己参照と論理矛盾について
自然は矛盾を嫌うのか?
生命への関心
なぜ自殺したのか?
第6章 哲学的課題の敷衍
計算可能限界
他人の心
ゲームの進化という観点
脳を滲ませる禁断の技術
〈自分>の謎
実在と非実在
サイエンスの境界を越えて
あとがき
付録1 計算できない問題が存在するという証明
付録2 計算回路の階層と恒等回路
付録3 フィクション『幻』
索引/参考文献
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