内容説明
統合失調症やアスペルガーは特殊で危険な病態なのか。日常の些細な出来事がトラウマ化するケースが増えたのはなぜなのか。ふつうと異常の境目が揺らぎ始めたことによって、「私」という物語の一貫性が失われつつあることを指摘しつつ、「心の科学」という言葉では扱いきれない側面を、実際の「豹変」症例に触れながら解説する。
目次
はしがき
第一章 心、このみえないもの
1 若者たちの風景
2 心、そして/あるいは「私」
第二章 豹変する心
1 恐るべき事件
2 ふつうと異常のあいだ
3 疾患は犯行を説明しない
4 それは予兆かもしれない
第三章 カオスの反転模様
1 三つの体験領域
2 アソビからカオスへ
3 反転としてのカオス
4 カオスの極北、裏返された世界
5 カオスはすぐそこにある
第四章 「内なる他者」の反乱
1 「豹変する心」に悩む人たち
2 手がかりとしての「解離」
3 理念型としての「ジキルとハイド」
4 現代のジキルたち
5 解離は危険なメカニズムなのか?
6 「物語の屈曲」から「人格の解離」へ
7 フライングする解離
第五章 精神科のカルテより
1 「臨床等価例」の多様性
2 代表症例
補遺 攻撃に向かう要因──一般青年の調査から
第六章 時代背景と精神疾患
1 理論によるバイアス
2 三つの体験領域と精神疾患
3 変容する疾患図式
4 秩序の崩壊と反転のはじまり
第七章 疾患概念を再考する
1 アノレキシア──垂直方向への上昇
2 PTSD──水平方向へのスライド
3 人格の解離──多元化する主体
4 アスペルガー──中心の喪失
5 現実感喪失──希薄化したリアリティー
第八章 自明性なき時代
1 「中心の喪失」から「世界の多元化」へ
2 「物語の解体」から「自己の多元化」へ
3 「正しさ」への懐疑
第九章 科学主義という幻想
1 科学的思考の罠
2 アスペルガーのような世界
終 章 「心の豹変」から「漂流する心」へ
あとがき
索 引
感想・レビュー
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ポカホンタス
ぽんぽこ
けけけ
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