内容説明
ASEANは1967年に設立された東南アジア諸国の地域協力組織である。当初、いずれも弱体な小国で構成されたASEANは固い制度枠組みが作れなかったことから、その存続が疑問視されていた。本書は、ASEANの基本的性格を会議外交ととらえ、その方式をレジーム(ルールのセット、ただしそれに従う会議は単一目的だけでなく多目的の場合もある)の一種として定義すること、そして各種の地域協力の内容を検討し、それを会議外交との関係から評価することを目的とし、ASEANはなぜ生き残ることができ、またどうやって様々の国際会議を中心とする、地域協力活動を推進できたかを分析する。
目次
序章 本研究のアプローチ
第I部 ASEANの基本的性格
第1章 ASEANの加盟国・目的・原則・組織
第2章 ASEANの会議外交
第II部 会議外交の形成と重層化
第3章 ASEANの会議外交:その形成と重層化
第III部 地域経済協力をめぐる会議外交の多元化
第4章 ASEANの域外経済協力と会議外交
第5章 ASEANの域内経済協力と会議外交
第IV部 地域安全保障協力をめぐる会議外交の多元化
第6章 ASEANの域外安全保障協力と会議外交
第V部 包括型協力をめぐる会議外交の多元化
第7章 ASEANの域外包括型協力と会議外交
第VI部 会議外交の発展と課題
終章 会議外交の発展と課題
付録 ASEAN諸国の安全保障協力
──冷戦末期以降の合同軍事演習を中心に──
参考文献
索引