教育思想史で読む現代教育

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教育思想史で読む現代教育

  • 著者名:森田尚人/森田伸子
  • 価格 ¥4,180(本体¥3,800)
  • 勁草書房(2021/05発売)
  • ポイント 38pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326250875

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内容説明

本書は「システム」「知」「人間」という三つのテーマのもと、現代教育を思想史的に読み解く。個別の論点を積み重ねることにより、現代教育の全体像を炙り出していく。現代の教育学の到達地点を示している本書は、教育思想史・教育哲学分野だけでなく、教育に関心を持つ人、教育学を学ぶ学生への教育思想史入門の必読書となる。

目次

はしがき[森田尚人・森田伸子]

序 ふたたび近代教育を問い直す

第1章 近代教育と形而上学――「自然」概念再考[森田伸子]
 はじめに
 1 神学と形而上学
 2 啓蒙の宗教批判
 3 宗教批判から「形而上学的自己」へ
 4 一八世紀における二つのデカルト主義
 5 ルソーにおける「教育」と形而上学

第I部 システム

第2章 政治――逆コース史観のアンラーニング[小玉重夫]
 はじめに
 1 戦後教育学と講座派マルクス主義
 2 かくれた対抗軸――戦後の労農派再結集とその挫折
 3 脱冷戦的思考をめざして
 結びにかえて

第3章 大学――脱・機能主義の大学像の構築に向けて[松浦良充]
 はじめに
 1 大学改革の大学像
 2 ハッチンズの希望と失望
 3 ハッチンズの大学像と教育概念

第4章 都市――ジンメルの思想に内在する人間形成論を解読する試み[山名淳]
 はじめに――都市にまつわるエピソードからジンメルへ
 1 ジンメルの都市論――「大都市と精神生活」にみる都市観
 2 潜在的な「都市と人間形成」論としての〈アルプス/ローマ〉論
 3 都市の人間形成に関する「文化の悲劇」を超える可能性――結びにかえて

第5章 道徳教育――ナショナリズム/教育勅語がもたらす自己否定[松下良平]
 1 問題設定――自己否定の道徳はなぜ受け入れられたのか
 2 ナショナリズムと道徳教育
 3 国体のナショナリズム
 4 教育勅語の政治学
 5 自己否定の重層化

第6章 職業教育――戦後教育における一般的教養と技術[江口潔]
 はじめに
 1 生産主義教育論と教育計画論
 2 教育計画論の後退
 3 変容する現場の職業教育
 おわりに

第II部 知

第7章 教養――ヨーロッパ的人間形成と知的文化[綾井桜子]
 はじめに
 1 現代日本における教養の模索――高等教育論のなかで
 2 ヨーロッパにおける教養と教育
 3 教養としての哲学と人間形成――思索の訓練を通じて、生き方を考える
 おわりに

第8章 人間形成――教育科学の基礎概念としてのBildung[鳥光美緒子]
 はじめに
 1 予備的考察――教育科学の基礎概念と一般教育学
 2 人間形成概念によって方向づけられた教育学構想の成立と展開
 3 一般教育学構想の変容と分析概念としての人間形成――「形成可能性/形成」
 4 経験的教育研究と人間形成理論をつなぐ――社会と個人の相互作用としての人間形成
 5 経験的研究の基礎概念としての人間形成――人間形成論的伝記研究
 おわりに

第9章 教科書――コメニウス『汎教育』における書物一般と学校用書物[北詰裕子]
 はじめに
 1 汎書籍論における個別的書物の執筆法則――書物の氾濫に抗して
 2 普遍的書物の執筆法則――光の協会が用意する書物
 3 「神の三書」とその手引き書としての教科書
 結びにかえて

第10章 カリキュラム――及川平治教育思想の生命概念[橋本美保]
 1 カリキュラムの基礎
 2 及川平治と明石女子師範学校附属学校の実践理論
 3 及川平治の教育思想
 4 生活概念と生命概念
 5 教育者の「生命の躍動」

第11章 国語――戦前戦後の言語研究におけるメンタリズムとメカニズム[渡辺哲男]
 はじめに
 1 戦前の言語学・国語学におけるメンタリズム
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すがの

4
現代教育のテーマについて、教育思想史研究から迫ろうとする研究論文集。論文の質はまちまちと言うべきだろうが、思想史の面白さというかうまみのようなものは感じられるものとなっているように思う。特に、思想史の書物にありがちな、現場からは離れて理屈をこねるという性格ではないのがよい。/取り上げられている諸テーマを列記すると、近代教育と形而上学、政治、大学、都市、道徳教育、職業教育、教養、人間形成、教科書、カリキュラム、国語、人間学、倫理的基礎、臨床、発達、注意、方法論的反省。2018/02/25

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