内容説明
20世紀とはどういう時代であったか。同時代史としてのこの1OO年の意味をじっくりと考える。今日の世界が形成されてきた過程を探る。20世紀は様々な内容からなるが、強い印象を与えるのは、二度の世界大戦、社会主義の成立と崩壊、ナチズムやファシズムの体験だろう。これらはなぜおきたのか。本書では、歴史における記憶と責任の問題・社会主義の諸問題・歴史の理論と方法の三テーマから100年の歴史過程を追求し、位置づけていく。
目次
1 「現代史(同時代史)」とは何か
第I篇 歴史・記憶・責任
2 日本の戦争責任・戦後責任論争とその新展開
3 「スターリニズム責任」という問題
4 集団的責任・集団的記憶・歴史
第II篇 《20世紀史》における社会主義
5 社会主義──その栄光と悲惨
6 「近代化」再考の視点から
7 「民主主義」論の視点から
8 「帝国とネーション」の視点から
9 「冷戦後」「社会主義後」という時代
第III篇 歴史の方法
10 「新しい歴史学」の問題提起
11 「歴史的事実」とは何か
12 「歴史の進歩」をめぐって
終章 《20世紀史》を振り返って
付録 読書ノートから
1 加藤典洋『敗戦後論』
2 藤原帰一『戦争を記憶する』
あとがき
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
5
第II編「《20世紀史》における社会主義」は本書の白眉と思う。「近代化」「民主主義」「帝国とネーション」という普遍的な問題に独自のアプローチで挑んだ社会主義は、それぞれ注目に値する成果を出しながらも、それに倍する問題を振りまきながら沈没していった。その負けっぷりがあまりにも酷かったため、本来はソ連型の体制から距離を置いていた穏健な改革派までが等しく「左翼」として糾弾される結果を招いた。社会主義そのものに未来はなかったのだろうが、現在のように色々な意味で歯止めが失われた世界はどこに向かうのか…2022/10/24
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