教師になること、教師であり続けること - 困難の中の希望

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教師になること、教師であり続けること - 困難の中の希望

  • ISBN:9784326299010

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内容説明

教師・教育を取り巻く状況は厳しさを増している。日々教育現場で業務に忙殺される教師に対して「世間」はますます厳しい目を向け、さらに教師の困難を増幅している。前著『学びのための教師論』に続いて教師を主題とし、「教師」に関する国内外の政策動向を記述しつつ、昨今の状況そのものを相対化し、突破する視点を提供する。

目次

まえがき

第I部 教師の困難はどこから来るのか

第一章 教師になること/教師であることの現在[山崎雄介]
 一 「教師受難の時代」と教職人気
 二 新人教師の「困難」の主要な根源――対「大人」関係へのとらわれ
 三 教師をめぐる政策動向――「資質能力向上」策の矛盾
 四 学校と教師の管理――評価・説明責任の跋扈と首長のイニシアティヴ
 五 困難の中に希望はあるか

第二章 学校は、なぜこんなにも評価まみれなのか――教育のグローバル化とPISAの果たした役割[松下佳代]
 一 評価の時代
 二 グローバル教育改革運動(GERМ)とPISA
 三 日本の教育へのPISAの影響
 四 別のかたちの模索

第三章 まじめな教師の罪と罰――教師が教師であるために必要なこと[松下良平]
 一 はじめに――学校と塾の違いがわからない
 二 公教育のオモテとウラ
 三 誠実な教師は思い悩む
 四 なぜまじめな教師が求められるのか
 五 まじめな教師のどこが問題なのか
 六 むすび――誠実なプロフェッショナルへ

第II部 この世界で教師として学ぶ

第四章 新人教員の苦悩に対して教員養成には何ができるか[杉原真晃]
 一 採用一年目の新人教員の苦悩
 二 新人教員の苦悩の深層(一)――学校現場
 三 新人教員の苦悩の深層(二)――教員養成
 四 教員養成には何ができるか
 五 教員養成にできること・できないこと

第五章 「若手教師」の成長を支えるもの――授業力量を成長させる要因[木原成一郎・久保研二]
 一 はじめに
 二 「若手教師」の成長の困難さと成長を支える要因の存在
 三 桃山先生の成長――体育授業における授業力量の変化
 四 桃山先生の成長を促した要因
 五 おわりに

第六章 同僚に学びながら教師になっていく――初任期から中堅期への成長[松崎正治]
 一 教師の成長の鍵となる時期とは
 二 本章の主人公――坂本さんと先輩教師・西野さん
 三 モデルとなる先輩教師を模倣する――四~五年目[二〇〇六─二〇〇七年度]
 四 たとえてみることで拡張する――六年目の実践[二〇〇八年度]
 五 学校文化とメンター
 六 まとめ

第七章 中堅期からの飛躍――「協同的な学び」との出会い[森脇健夫]
 一 はじめに
 二 S中学校での教師たちの経験
 三 おわりに――「観」の問い直しの場としての学校

第III部 閉塞状況をどう突破するか

第八章 受験体制の中で自分の教育観にこだわる――ジレンマのやり繰りと教師の学び[藤原顕・荻原伸]
 一 はじめに
 二 荻原実践をめぐる対話とその解釈

第九章 教師バッシングはもうやめて――心躍る学びの場を[村井淳志]
 一 教師バッシングが常態化したこの三〇年
 二 朝令暮改の猫の目教育行政
 三 アカウンタビリティに名を借りたアリバイ書類づくり
 四 品質保証に名を借りた自由裁量の剥奪
 五 いちばん不足しているのは、教師の心を揺さぶる場
 六 私の教員免許更新講習の実践から
 七 おわりに

第一〇章 教師はどのようにして生徒の学びが〈みえる〉ようになっていくのか[吉永紀子]
 一 授業を〈みる〉ことと生徒の学びが〈みえる〉こととの間
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Takanobu Y

1
いろいろな立場で教育現場の問題に切り込んでいる点がとてもよい。2016/08/02

0
呪詛のような本2013/03/09

ロンリネス

0
ところどころ難しいというか、まだ現場を経験していないから、入ってこない部分があったが、いままさに教師になろうとしている自分に初任者から10年目、逆に管理職がどうあるべきかなども書かれていてとてもためになった。国家に貢献するという側面が塾とは違う。教師はとにかくつらい。期待されることも未熟者として見られることも悪気はないが初任者には重く学校外で相談できるコミニュティが必要。できないことをできないこととして認めること。資質能力という個人の問題として見過ぎない。制度、全体としてみる。制度の圧力のなかで効果的に。2019/03/25

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