宗教と社会のフロンティア - 宗教社会学からみる現代日本

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宗教と社会のフロンティア - 宗教社会学からみる現代日本

  • 著者名:高橋典史/塚田穂高/岡本亮輔
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 勁草書房(2021/05発売)
  • 真夏も楽しく!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/11)
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  • ISBN:9784326602421

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内容説明

現代日本の宗教と社会を巡る実態に即して編まれた、新しいテキスト。新宗教とカルトから始まり、社会貢献、政治、教育といった「宗教以外」の言葉も並ぶ構成で、宗教と非宗教が社会のさまざまな領域と密接につながり、拡散し、互いに影響を与えながら変化している様子を示す。私たちの生きる社会と宗教の関わりを理解するための入門書。

目次

はじめに

第1章 総論――日本社会における宗教の特徴[高橋典史]
 1 はじめに
 2 現代日本における宗教の諸相
 3 宗教のさまざまな定義と宗教社会学の立場
 4 日本の「伝統的」な宗教生活
 5 近代における宗教の変化
 6 戦後社会の宗教

第2章 新宗教の展開と現状[塚田穂高]
 1 新宗教とは何か
 2 新宗教の歴史と発生基盤
 3 新宗教の特徴
 4 最大の新宗教・創価学会
 5 新宗教はどうなるか

第3章 社会問題化する宗教――「カルト問題」の諸相[塚田穂高]
 1 「カルト問題」とは何か
 2 オウム真理教――宗教的殺人と続く問題性
 3 統一教会――正体隠しの伝道と金銭収奪
 4 続発する「カルト問題」
 5 「カルト問題」の問題性とは――「精神の自由」の侵害を考える

コラム(1) 宗教法人とは何か[大澤広嗣]

第4章 生きづらさと宗教――宗教の新しい社会参加のかたち[白波瀬達也]
 1 生きづらさが広がる日本社会
 2 宗教による生きづらさへの対応
 3 日本におけるFROの歴史的展開
 4 FROの活動パターン
 5 FROの可能性とジレンマ

第5章 拡散・遍在化する宗教――大衆文化のなかの「スピリチュアル」[平野直子]
 1 はじめに
 2 「スピリチュアル」と宗教
 3 「スピリチュアル」のケース・スタディ
 4 「スピリチュアル」へのアプローチ
 5 おわりに

第6章 聖地巡礼とツーリズム[岡本亮輔]
 1 はじめに
 2 聖地巡礼とその時空
 3 巡礼ツーリズムの展開
 4 作られる聖地巡礼
 5 おわりに

第7章 日常/生活のなかの宗教――〈民俗〉を越えて[門田岳久]
 1 伝統なき時代の民俗宗教
 2 民俗学的宗教研究の視角
 3 日常における宗教の変貌
 4 民俗学的宗教研究の展望

第8章 変わりゆく葬儀・墓[碧海寿広]
 1 はじめに
 2 葬墓文化の「伝統」と変容
 3 データからみる葬儀・墓の現在
 4 「新しい葬儀・墓」の諸相
 5 死者・社会・仏教

コラム(2) 沖縄の宗教[新里喜宣]

第9章 生命倫理学とスピリチュアルケア――死生の臨床と宗教[山本佳世子]
 1 はじめに
 2 生命倫理学と宗教
 3 生命倫理の諸問題
 4 スピリチュアルケアと宗教
 5 おわりに

第10章 政治と宗教――現代日本の政教問題[藤本龍児・塚田穂高]
 1 はじめに
 2 近代日本の政治と宗教
 3 「靖國問題」の形成と展開
 4 政教分離訴訟の展開
 5 宗教団体の政治進出・関与
 6 政教問題における衝突克服のために

第11章 日本における宗教教育の歴史とその課題[高橋典史・山本佳世子]
 1 はじめに
 2 日本における宗教教育の歴史
 3 宗教教育の現状と諸問題
 4 日本における「生と死の教育」
 5 おわりに

第12章 グローバル化する日本の宗教――日本宗教の海外進出と外来宗教の到来[高橋典史・李賢京・星野壮・川崎のぞみ]
 1 はじめに
 2 日本宗教の海外進出
 3 日本における新旧の韓国系キリスト教会の展開
 4 南米系日系人の急増とキリスト教
 5 日本におけるイスラームの広がり
 6 おわりに

第13章 社会を読み解くツールとしての宗教社会学[岡本亮輔]
 1 はじめに
 2 近代社会研究としての宗教社会学
 3 宗教復興論と宗教定義の問題
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

22
宗教社会学の教科書として編纂されたもので、学問的に、社会を読み解くツールとしての宗教社会学に初めて触れる人向けのものとなっている。現在、統一教会問題で脚光が当たっている新宗教やカルトの問題は第2章・第3章で塚田穂高が簡潔に紹介し、その後のコラムで大澤広嗣が「宗教法人とは何か」を論じているので、参考になる。あくまでも概説書なので、個別のテーマについては「さらに学びたい人のためのブックガイド」を参考に探していく形になる。そろそろ増補・改訂版が出てもいいかな……。2022/07/25

Koning

12
宗教社会学の教科書として書かれた本。複数著者により、宗教と社会の関わりを考える。特筆すべきは新宗教とカルトに割かれた2つの章。前者は創価学会をモデルに、後者はオウムと統一教会をモデルに、宗教であるからこその精神的なアプローチを問題にし、ありきたりなラベル付けによる思考停止をいましめている。惜しむらくは自称非宗教だが実質カルトなセミナー系等ももう少し突っ込みたかったんだろうけれど、枚数が足りないようで。また、生きづらさという所でホームレス支援NPOとキリスト教のかかわりを紹介したり、そうした支援を(続2012/11/20

gecko

9
現代日本の宗教と社会にかかわる事象を宗教社会学の立場から読み解く大学1・2年生向けの入門書。多様なテーマについてそれぞれコンパクトに概説されており、興味のある章から読むことができる。「カルト問題」(第3章)と政治と宗教の関係(第10章)を目当てに読み始めたが、全体に目を通すことで、〈「宗教」の存在感が希薄なようでいて、宗教的な「何か」が社会のさまざまな領域と結びつき、人々の慣習や価値観の中に溶け込んだ形で存在する日本〉を捉えることができて面白かった。2012年発行とやや古いので、各領域の現況も知りたい。2022/08/21

belier

4
主に統一教会などカルトについて知識を得たいと思ったが、それには物足りない。10年前に出版された本なのでちょっと古い。とはいえ、宗教社会学の入門書として読んだら、若手の研究者たちが幅広いテーマをカバーしており学ぶものはあった。文章も読みやすくていい。2022/07/18

りょう

3
カルトや宗教と政治を学びたくて購入。大学生向けの概説書。日々の生活の中でほとんど意識しない宗教。宗教と社会の間には様々な課題があるんだということを認識。ここのことをもう少し深掘りしたかった。2022/10/05

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