音楽をまとう若者

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音楽をまとう若者

  • 著者名:小泉恭子
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 勁草書房(2021/05発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326653232

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内容説明

現代の若者は他者と関わり、居場所をはかるために、ポピュラー音楽を「道具」としてどのように活用しているか。フィールドワークを通し、彼らの音楽行動の実像に迫る。日本の高校生を対象に教室からコスプレ集会まで、多様な演奏・聴取行動を追った調査を通し、彼らが場所や状況に応じ「好み」を使い分ける方法とその理由を描く。そこから見えてくるのは「パーソナルの自己防衛」を基本とする、彼らのアイデンティティ構築戦術である。著者のアイデンティティ構築と音楽行動の関わりに迫る意欲的研究。

目次

はじめに

第一章 ポピュラー音楽研究の系譜と課題
 一 学校の内外を橋渡しする
 二 教育とポピュラー音楽
 三 サブカルチャー研究とポピュラー音楽
 四 文化資本としてのポピュラー音楽
 五 ポピュラー音楽とジェンダー

第二章 フォーマルな空間
 一 交差する三つの空間
 二 教室の男子高校生
 三 教室の女子高校生
 四 ポピュラー音楽の三層構造
 五 「戦法」と「作戦」
 六 吹奏楽部

第三章 セミフォーマルな空間
 一 男子フォークソング部員
 二 女子フォークソング部員
 三 高校生バンド・イベント

第四章 インフォーマルな空間
 一 聴取に専念する男子高校生
 二 ヴィジュアル系バンドのコスプレ女子高生
 三 男の子バンド
 四 女の子バンド

結び 音楽をまとう若者

あとがき
参考文献
人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

akuragitatata

1
インタビューによる高校生たちの音楽意識に対する調査。パーソナル・ミュージック(個人的に好きな曲)とコモン・ミュージック(みんなの前で好きといえる曲)と、大人の前でだけいい顔する曲という位相があるという研究。90年代末の懐かしいV系アーティストが沢山出てくる。インタビューを素直に解釈しない非素直さがある。インタビュー自体は質疑が細切れすぎるように思う。なんか全体に過ぎ去った過去の世界を見ているようで、今もこんな子がいるのかなぁって思いを馳せたり。2017/05/25

やま

1
フィールドワークの丁寧な記録。分析のベースは〈世間〉論。世間の在り方のわかりやすい具体例を提示してもらった。いろいろ応用できそう。2009/05/27

pddk

0
フィールドワークの本をそんなに読んだことないけど、状況から結論を簡単に引き出しすぎなきらいがある。特に自分も調査対象のような生き方をしているだけになおさら納得しづらい部分もある。2009/04/09

coropniasso

0
論文執筆時に斜め読みしたものをもう一度。 好きなポピュラー音楽についての語りには、巧妙な戦法や作戦が組み込まれてるそう。ジェンダーによって異なる(のか?)。学生達がコモンミュージックをまとう場の政治は丁寧に追われている一方、パーソナルミュージックを「まとう」様については検討されていないのは気になった。2019/04/13

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