内容説明
あるべき世界でも、あるはずの世界でもなく、われわれの存在に開かれた世界を理解する試みとしての政治学へ。政策リスト作成・ラベル貼りでない「新保守主義」読解。980年代に日本に出現したのは、本当に新保守主義政権だったのか。1990年代に登場したブレア政権は、はたして新保守主義のオルタナティブを提起しえたか。2000年代「ネオ・コン」とラベルされたG.W.ブッシュの政治の実体はなんだったのか。この20年の先進諸国の変化をうながした論理の筋をおいかける。世界に働く力=作用の読解。
目次
まえがき:政治学に世界理解は可能か
第一部 同時代的伝播――日本の場合
第1章 中曽根政治と新保守主義
1 新保守主義の国際比較へ
2 分析レヴェルの設定
3 「支持の政治」:文化による政治
4 「パフォーマンスの政治」:ハイ・ポリティックスの突出
5 「権力の政治」:道徳主義への還元
6 国民国家外交最初で最後のチャンピオン
7 中曽根政治の遺産
第2章 失われたコーポラティズム
1 遅れてきたコーポラティズム
2 NTT分割論争の展開
3 コーポラティスト・シナリオの台頭と挫折
4 引き延ばされた新保守主義革命の意義
第二部 弁証法的展開――イギリスの場合
第1章 サッチャリズムの成果
1 サッチャリズムの「成果」諸説
2 労働党の変貌:アコモデーションか近代化か
3 新しいコンセンサスの時代
4 キャッチ・アップ説と保守党の隘路
第2章 ブレア労働党とサッチャリズム(1):「支持の政治」
1 多次元的アプローチの必要性
2 二層政党制からポピュラー・キャピタリズムへ
3 ブレア労働党と「一つの国民」戦略
4 保守党の迷走
第3章 ブレア労働党とサッチャリズム(2)
:「権力の政治」、「パフォーマンスの政治」
1 権力の政治:制度慣性と連続性
2 パフォーマンスの政治:ディヴォルーションの全面化
第4章 サッチャリズムを超えて
1 「支持の政治」の変質
2 1992年総選挙と「政治の人格化」
3 ブレアにおける「リーダーシップの政治」
4 労働党における党組織改革の意義
5 人民投票型民主主義へ
第三部 ニュー・パラダイム――アメリカの場合
第1章 二つの「帝国」のあいだ
1 帝国国家アメリカへの呼び声
2 「超大国」から「覇権国」へ
3 テクノエンパイア(techno-empire)の予感
4 デモクラティック・エンパイア(democratic empire)の逆襲
第2章 ブッシュ政権とテクノエンパイア
1 ハミルトニアンの復活
2 連邦研究開発予算の動向
3 ハイテク・ブッシュ
4 レーガンからブッシュへ:テクノロジー政策の系譜
5 アメリカの対外政策とテクノエンパイア
あとがき:小泉時代を振り返って
人名索引/事項索引
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