講談社学術文庫<br> スウェーデンボルグ 科学から神秘世界へ

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講談社学術文庫
スウェーデンボルグ 科学から神秘世界へ

  • 著者名:高橋和夫【著】
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  • 講談社(2021/05発売)
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  • ISBN:9784065229132

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内容説明

18世紀のスウェーデンが生んだ稀代の科学者にして神秘思想家、エマヌエル・スウェーデンボルグ(1688-1772年)。この異才の存在こそが、カントに『視霊者の夢』(1766年)を書かせ、またバルザックをして『セラフィタ』(1834年)の執筆にむかわしめました。日本では、禅学の大家である鈴木大拙(1870-1966年)が紹介したことで知られています。
スウェーデンボルグは84年の生涯のうち、その半分を科学者として過ごします。11歳でウプサラ大学に入学したあと、イギリスやフランスに遊学して天文学や機械工学を学び、先駆的な航空機を含め多彩な発明品の設計図を残します。その後、スウェーデン国王カルル12世の知遇を得たことをきっかけに、王立鉱山局の監督官として59歳まで働くことになります。監督官として勤めるかたわら、地質学をはじめ数学、宇宙学、解剖学など多岐にわたる分野で精力的に執筆活動を続け、科学者として当時のヨーロッパに名を馳せますが、50代のときに大きな転機が訪れます。それが相次ぐ神秘体験でした。
スウェーデンボルグを科学者から神秘主義神学者へと変貌させた、神秘体験とは一体どのようなものだったのでしょうか。それはこの天才にとってどのような意味をもっていたのでしょうか。そして、彼が見た死後の世界とはどのようなものだったのでしょうか。科学から神秘世界へ、大きな飛躍があるように見え、ともすれば矛盾に満ちたものになりそうなその生涯は、実のところ極めて合理的な精神に貫かれていたのです。
2005年にユネスコの世界記憶遺産に認定された膨大な手稿も含め、スウェーデンボルグが遺した思考の軌跡を辿っていくと、そこにはこの思想家が持ち続けたたぐいまれな合理的思考の輝きと、ニュートンやカントをはじめとする当時の科学者や哲学者が、人間や魂、宇宙など世界の真理に迫るべく探求を重ねていた18世紀の時代精神が浮かび上がってきます。
日本ではいまだ知る人ぞ知る存在でありながら、ゲーテ、シェリング、ドストエフスキー、コナン・ドイル、エドガー・アラン・ポー、ボルヘスなど、綺羅星のごとき思想家や作家たちに影響を与え続けた巨人の生涯と思想の全貌を本書は活き活きと簡潔に描き出しています。ヨーロッパ思想の奥深さを知る、絶好の入門書です!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三柴ゆよし

18
神秘家として目覚める前、科学者としてのスウェーデンボルグについてはぜんぜん知らなかったのだが、強烈な神秘体験を経たことで一気に霊的な世界に接近していくあたり、0か100か、という極論の人だったのではないかと思う。たとえばドストエフスキーやフラナリー・オコナーの小説を読むとよくわかるが、あるものをただありのままに受け入れる人よりも、肯定と否定の振れ幅が極端に大きい人にほど、神の恩寵は浸透する。類稀な人のおもしろい評伝というよりは、理性と霊性の狭間について考えさせてくれた、おもしろい本だった。2021/05/27

月をみるもの

8
カントとの絡みをもうすこし詳しく知りたい。やっぱなんらかの神秘体験がないと宗教にはハマれないのだろうか。2024/01/03

μέλισσα

1
読前はカントの著作の中で知るのみだった。前半部分はすごく真っ当に働いていたんだなぁという印象、後半部分は細かい部分では分からない箇所もあったが、全体としては179頁にもあった通り、他の神学に比べて平明・直截であり常識的といった印象。 カントについて触れている箇所は、触れるのであればもう少し立ち入って欲しかったという気持ちではある。本書の記述を見る限りでは、カント自身の批判は表面的であり、実際は両義的、またカントの表面的な批判に対して一応の説明を与えたユングは偉大、といった印象に映る。2024/12/10

Go Extreme

1
善を為すは我が宗教なり 科学者としての出発: 鉱山師の家系 イギリスでの天文学修業 鉱山技師としての活躍 原初の自然点ー革新的な原子論 宇宙論ーニュートンへの挑戦 霊へのめざめ: 霊魂・アニマ 自然的・霊的な心をつなぐ合理的な心 科学的探究の限界 夢解釈 イエス・キリストを幻視 その霊的世界: 死後の人間である霊 霊界と自然界の類似と相違 照応 剥脱 創世記を読み直す: 霊的→天的人間 善悪を知る木 新生の心理学 不変宗教への道: 機械論→目的論 神人 贖罪論 真の三位一体 自らに課した規律 晩年の日々2024/08/21

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