角川新書<br> 八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ

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八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ

  • 著者名:安田峰俊【著者】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • KADOKAWA(2021/05発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040823966

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内容説明

第50回大宅壮一ノンフィクション賞、第5回城山三郎賞をダブル受賞した傑作ルポの完全版。
2019年香港デモと八九六四の連関を描く新章を収録!

「“その事件”を、口にしてはいけない」
現代中国最大のタブー、天安門事件に迫る!
1989年6月4日。変革の夢は戦車の前に砕け散った。
毎年、6月4日前後の中国では治安警備が従来以上に強化され、スマホ決済の送金ですら「六四」「八九.六四」元の金額指定が不可能になるほどだ。
あの時、中国全土で数百万人の若者が民主化の声をあげていた。
世界史に刻まれた運動に携わっていた者、傍観していた者、そして生まれてもいなかった現代の若者は、いま「八九六四」をどう見るのか?
そして、事件は2019年の香港デモにどう影響したのか? 歴史は繰り返されるのか? 
中国、香港、台湾、そして日本。60名以上を取材し、世界史に刻まれた事件を抉る大型ルポ。
語り継ぐことを許されない歴史は忘れ去られる。これは、天安門の最後の記録といえるだろう。
●“現代中国”で民主化に目覚めた者たち 
●タイに亡命し、逼塞する民主化活動家
●香港の本土(独立)派、民主派、親中派リーダー 
●未だ諦めぬ、当時の有名リーダー
●社会の成功者として“現実”を選んだ者、未だ地べたから“希望”を描く者 etc.

※本書は2018年5月に小社より刊行された単行本を改題の上、修正し、新章を加筆したものです。
【目次】
序章 君は八九六四を知っているか?
第一章 ふたつの北京
第二章 僕らの反抗と挫折
第三章 持たざる者たち
第四章 生真面目な抵抗者
第五章 「天安門の都」の変質
第六章 馬上、少年過ぐ
終章 未来への夢が終わった先に   
あとがき
新章 〇七二一 香港動乱
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

108
「天安門事件」から30年が過ぎた・仕事先で会社の方と雑談をしているときこのニュースが流れた・「自国民に銃を向ける国なんて・・」という言葉が洩れた。しかし読んでゆくうちにあの事件のことはもう遥か彼方という当時活動していた人々からうかがえた。日本の学生運動もあれから50年以上経てばもう活動していた方も高齢だ。それが話題になることはほとんどなくなった。結局大きな歴史の流れに飲み込まれる歴史の1ページなんだな。習政権の思うがまま、人民共和国の名をそろそろ返上したらよいのに。図書館本2022/11/10

ちゅんさん

39
天安門事件について何も知らなかったので勉強になった。「中国の民主化などファンタジーだ」、「中国は4000年の歴史を経ても何も変わりはしなかった。〜アヘン戦争、日清戦争、国共内戦、文化大革命を経ても変わらなかった。中国に民主主義が根付くなんていう意見はジョークとしか思えない。」私もそう思う。2023/06/22

バズリクソンズ

20
天安門事件を知る上では、不十分なテキストであると思ったのが率直な感想。著者自身が当時の事件のデモ参加者の重要参考人に直接取材してまとめた本であるが、取材当時で25年の月日が経過しており、また当事者達の当時の熱量自体が真剣に民主化を訴えての活動とは言えない様な内容であり(中には少数、今でも民主化活動家は紹介されているが)事実を記載している事には疑う余地はなかったが、著書として販売目的でまとめあげるのであれば、もう少し著者自身が盛り上げる様な内容で書き上げれなかったのか?と思う内容で、非常に勿体ない印象でした2022/01/31

さとうしん

19
天安門事件に関わった人々のその後。事件後に「ネットで真実」に目覚めて大変なことになった者もあれば、台湾で学生たちと接し、ヒマワリ学運に影響を及ぼした者もあり。そして天安門事件の負の部分は香港のデモに継承されていく。今回追加の新章ではその継承のありさまが語られる。大陸を見下す香港人の精神が、金やモンゴルに圧迫された南宋人、あるいは清に追い詰められた南明政権の人士と類似しており、ある種の「中華思想」をこじらせてしまっているのが何とも悲しい。2021/04/28

Francis

16
33年目の6月4日に読了。六四天安門事件を主導した学生たちとほぼ同じ年齢の自分にとってこの事件は忘れられない事件であり、アムネスティ・インターナショナルに参加するきっかけになった事件でもある。当時の指導者王丹、ウアルカイシ両氏を含む多くの関係者へのインタビューを通して天安門事件の性格がようやく理解できた。どうして中国民主化運動は上手く行かなったかも良く理解できた。王丹さんには2012年の初来日時にお会いしたが、王さんが台湾のひまわり学連運動に多少なりとも影響を与える事が出来た事は素直に喜びたい。2022/06/04

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