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内容説明
中世大学図書館や王室文庫、イスラーム世界の「知恵の館」や
ユダヤ人の書物の墓場「ゲニーザ」など、
多彩な図書館を紹介しながら波瀾の歴史をたどる。
時に愚かしく、時に感動的な、人と書物の物語。
古代アレクサンドリア図書館の書物の焼失、
ヴェズヴィオ山の噴火による「パピルスの館」の埋没、
二度の世界大戦中、中世以降の貴重な宗教関連書のあった
ベルギーのルーヴェン大学が受けた惨禍など、
かけがえのない知的遺産の喪失は、失われたものへの好奇心をいっそうかきたて、
残された資料を探し集めて、さらなる書物を書こうと人々を奮起させる。
“書かれた言葉”にはやはり、時空を超えた人の声がひそんでいると
改めて実感せざるをえない。(訳者あとがきより)
──時代の波に翻弄され続けた図書館の歴史を知られざるエピソード満載で綴る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
76
図書館史の教科書には載っていないような話題が続々と出てくる。目録作成の嚆矢がフランシス・ベーコンというのは初耳だった。2021/04/21
ドラマチックガス
8
やたらと自己陶酔的というか、ポエミーというか、独特の語り口にやや辟易。第1章と最後の第7章は正直、何がいいたいのかわからなかった(頭が理解を放棄したという方が近いかも)。中世-近世あたりのパートは面白かった。図書館の歴史というより、「知」に対するアクセスの歴史、知の独占の歴史、分類の歴史だった。一緒のことか。他の人の書いた同じテーマの本が読みたい。2021/04/28
あんどうれおん
4
ベテラン司書が図書館について個性的なスタイルで語りつくした一冊。訳者によると、原著者はインタビューで「知識と文化がどんな風に影響しあってきたかを見つめてみたかった」と語ったそうです。その熱意のほどは読み取ったつもりですが、興味深い記述の合間に頻出する独特な比喩の数々が私には難解でした。書誌学の素養がある方には違う見方もあろうかと思います。2021/07/03
きっしょう
3
考えたことが無かったが、図書館の歴史が案外古いことにまず驚かされる。そしてその図書館の破壊や焚書が様々な時代、国により繰り返されてきたことにも驚く。勝者が敗者の歴史や文化を奪うことの何と愚かしいことか。途切れ途切れで読んでいたうえ、時にボーっとしながら読んでた部分もあるので頭に入ってこなかった部分もあるが、著者の図書館への思いは伝わってきた。2021/08/24
in medio tutissimus ibis.
2
邦訳で付け加えられらと思しきサブタイトルは「古代アレクサンドリアから~」だけど、普通にそれに先行するメソポタミアやエジプトやギリシャの図書館に言及してるんですがそれは。粘土板だったり巻子本だったり個人蔵だったりして今の図書館とイメージは違うかもしれないが、開幕40ページでオイオイオイとなるのは頂けない。図書館と言ったらアレキサンドリアと言いたいだけちゃうか。2021/07/10