内容説明
文士、猿を飼う。
愛猿、愛犬、愛鳥をめぐるエッセイ集。動物随筆の名品!
誰にもなつかないと評判の猛猿が不思議と著者にはたちまちなついた。情にほだされ、二代目、三代目と飼いつづけた著者と猿(三ちゃん)との十数年の日々。彰義隊生き残りの武士の孫として生まれ、新選組はじめ幕府に殉じた男たちの物語を書き続けた骨太の作家の、意外な横顔を伝える感動のエッセイ。文体は洒脱な語り口調で読みやすく、そして笑いと涙を呼ばずにはいられない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
detu
18
野生の猿を飼う。死んでは次々と三頭。戦前から戦中くらいの話しか。子母沢さんは猿を手懐けるのが上手いようだ。勿論愛情たっぷりに。読んでいると執筆活動など何時やっていたんだ?ぐらいに世話を焼いておられる。他に犬4頭。凄いというかどんだけ動物好きなんだ。ちょっと現代では無理メな飼い方感もあったけど子母沢さんち邸宅みたいだし。基本作家さんは動物好きおおい。2021/06/15
Kiro
13
もうめちゃくちゃ面白かった。僕は本好きだと自分では思っているし、継続して読むという行為を長年続けているけれど、本を読んで笑ってしまうということはなかった。でもこの本にはあった。すんごい面白い本でした。2021/08/29
gachin
3
動物とヒトの暮らしが同じような比重で描かれていて読んでいて気持ちがいい/ やはり項を噛んで上下関係を教えてる。調教は周防流/ コロコロしてる糞しか見たことないとのこと。サルも酒を美味しがる。獣肉を恐れる。果実で下痢をする個体もいる。脱臼があると瘦せていく。山葵には無反応。2023/04/29
K
1
作家が動物を愛する話というのがなんだか好き。でも、古い時代の話だと、動物の扱いが現代ではあり得ないほど雑で乱暴で辛くなる。それが恐ろしくて、読むのに勇気がいるのだけれど、やっぱり生き物を愛でる作家の素顔や、愛らしい動物の姿に触れたくて手に取ってしまう。今回も、その両方の気持ちが交互にやってきて、読んでよかったのか、後悔しているのか、なんとも落としどころのない読後感。でも、時代が違うだけでどの作家も心から生き物を慈しんでいる。もしかしたら私も及ばないほどの深い愛情で。→コメント欄へ続く2025/04/02
kotaro
1
★★★★★★★★☆☆2021/10/29