講談社文芸文庫<br> 俳優修業

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講談社文芸文庫
俳優修業

  • 著者名:花田清輝【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 講談社(2021/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061961326

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内容説明

「虚実皮膜」の間を飛翔する花田清輝の精神の冒険――東洲斎写楽の役者絵についての精妙な分析にはじまり、「芸」という虚と実の「皮膜」の「遊び」から、「役者」という虚にして虚ならず実にして実ならざる追求者に話を展開し、沢村淀五郎の芸談だとする『四徳斎雑記』を補助線として、独自な精神を奔放に飛行させる、花田清輝の世界。転形期をしたたかに生きる、不撓不屈の諧謔の精神。常に精神の前衛でありつづけた著者の代表的作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

耳クソ

12
写楽・春章・四世団十郎の「遁世」を、重商主義的な(田沼意次的な)見方でも、政治的保守主義的な(中野三敏史観、あるいは松平定信の)見方でもなく、近松のいう「実と虚の皮膜の間」に散る「火花」を見いだし評価する、それ自体18世紀文化論であり全世界的な近世思想史論の真髄だろう。その「火花」とは第四章の芳村金四郎=遠山景元説に材をとった天保政治論、大塩平八郎(というか橋本忠兵衛)に終始冷ややかな第六章にも一貫している「おとしばなし」的感性──山師的な、あまりに山師的な無責任さの革命性に他ならない。2023/09/23

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