内容説明
「虚実皮膜」の間を飛翔する花田清輝の精神の冒険――東洲斎写楽の役者絵についての精妙な分析にはじまり、「芸」という虚と実の「皮膜」の「遊び」から、「役者」という虚にして虚ならず実にして実ならざる追求者に話を展開し、沢村淀五郎の芸談だとする『四徳斎雑記』を補助線として、独自な精神を奔放に飛行させる、花田清輝の世界。転形期をしたたかに生きる、不撓不屈の諧謔の精神。常に精神の前衛でありつづけた著者の代表的作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mstr_kk
5
いやはや、とんでもない本でした。こんな本が書ける花田清輝って、本当に何者なんでしょうか。江戸の歌舞伎について、調べるだけでも大変だろうに、見てきたように生き生きと、面白く語る。いや、限られた情報から、「こうも考えられるのではないか」を次々に繰り出す。こちらの不勉強ゆえによくわからないところも多々ありましたが、堪能しました。2024/09/03
amanon
3
歌舞伎を題材にしたエッセイ集?でも先に読んだ『鳥獣戯話』と共通する要素もあるし…と思いながら読んでいたが、解説にはやはり小説とある。一応、元ネタらしきものはあるらしいのだけれど、どこまでその元ネタ通りなのか、どこからが創作なのか一読しただけではよくわからず…というより、元ネタを確認するだけで一苦労なのだから、これは著者の意図通りにあえて煙に巻かれたままでいるべきということか。それにしても、歌舞伎なんて殆ど未知の世界でありながらも、それなりに面白く読ませてしまうところはさすが。ただ、注釈が欲しかったか。2026/02/07
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