内容説明
青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く――メシを喰うために、家賃を払うために。けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。音楽、芝居、写真、マンガ……。だから、俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ! 熱く純なハートを持った男達の夢と友情を感動的に描いた表題作。ほかに、第16回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
147
初読みの作家さんでした。この読メのレビューで高評価だったので読んでみたくなりチャレンジしましたが、少し期待が大きすぎたようで、感動するべきポイント(=ラスト)ではキモチの昂ぶりが少し足りなかったのか、思っていたほど残念ながら感動レベルがあがりませんでした。面白くないワケではなく、感動ももちろんしっかりとしますが、私にとってはBIG WAVEではなかったです、残念ながら。でも、読みやすいので悪い意味ではなく、サラッと移動時間なんかで読書したい時にはいいと思います。読む時期(年齢)をきっと間違えたかなと。2013/09/10
新地学@児童書病発動中
139
表題作と「多輝子ちゃん」の2編を収録。「多輝子ちゃん」は太宰賞受賞。「青空のルーレット」はビルの窓拭きを仕事にしている男たちの話で、登場人物の描き方がうまい。こんな良い人たちばかりはいないよと感じる人がいそうだが、私はこんな良い人たちこそが世の中を支えているのだと思いたい。萩原さんの「夢を見るから、人間なんだ」という言葉は至言。澄みきった青空が、読み手の胸の中に広がるラストも素晴らしい。「多輝子ちゃん」は、青春の輝きと人と人のつながりの不思議さを描いた小説。こちらも素晴らしい。(コメント欄へ続きます)2015/02/05
❁かな❁
130
仲良しのお気に入りさんにプレゼントしてもらいました☆辻内智貴さん初読みです!もうめちゃくちゃ良かったです〜♪表題作の「青空のルーレット」と太宰治賞受賞の「多輝子ちゃん」の二作入りです。どちらもとても感動的でした!特に「青空のルーレット」素晴らしかったです★窓拭きのバイトをしながら夢に向かって頑張っている若者が主人公です。途中にも好きなシーンあるのですがラストが感動的で泣きまくりでした*素晴らしいです☆たくさんの方々に読んで頂きたい作品です!あとがきも最高で、そこでまた号泣。とっても良かったです!2013/09/07
あつひめ
122
辻内さんの作品初読みですが、やられた…という気持ちになります。都会の稀薄な人間関係。そういうところでも一生懸命足下を固めるように…そして自分へは厳しくても、人に誠実に向き合えば、人は応えてくれる。助け助けられる関係ってうらやましい。そして、私もそういう人になりたい。太宰治賞受賞作の多輝子ちゃんは、私は、何度でも読み返したい作品。狭い環境での悲しいまでに突き刺さる視線。お節介な言葉。時に田舎は優しさの仮面を被った悪魔。 真剣な二人の未来が粉々に砕けても多輝子ちゃんの中には少年が生きてる。いつも微笑んで。2013/07/21
紫 綺
110
単行本で読了。夢を持つこと、きっと叶うと信じつづけることが人間なんだ!!2013/08/25