内容説明
係長に服装や行動にまで難癖をつけられ、遠井真弓(とおいまゆみ)と疋田三枝子(ひきたみえこ)は、臨時雇いの会社を辞めてしまった。憂さ晴らしにしこたま酔っぱらった2人は、3軒目のバーで、こちらも仕事を辞めたばかりの男と意気投合。3人で旅館に泊まったが、起きた2人が見たものは、ソファの上で死んでいる男だった。殺人事件と男女の恋愛が絡み合う長編推理小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くままごと
9
スラックスを履いてた事を叱責された女子社員の真弓と三枝子は、発作的に会社を辞めそのまま夜の街へ。 ある飲み屋で知り合った男と旅館の一部屋に泊まったところ、朝起きたらその男は殺されていた。二人の逃避行が始まる…というあらすじ。いやあ、面白かった。スラックスを履いてて怒られたり、ズベ公なんて言葉が出て来たり時代背景が楽しい。全体的に漂う退廃的なムードと犯罪が上手く溶け合っていていい雰囲気。 決して上品でない単語で表現される描写が、本当に素晴らしく文章にもうっとり。極上のサスペンスでした。2018/07/24
マヌヌ2号
8
素晴らしい。同作者の『霧に溶ける』は、全体図の作りはいいものの細部に綻びが出ていた印象があった。しかし、本作はその欠点を克服しているし、かつガツンと脳をぶち抜くような強烈な構図も兼ね備えている。まず単純に、サスペンスフルな逃走劇としてよいし、ロジカルに真相を追及するミステリとしての完成度も一級品。そして何より、それらを骨子にして組み上げられたミステリ的構造の美しさが最高。初めに示される真相もさることながら、それをもう一段上の段階へ持っていくラストの落とし方がもう流石としか言いようがない。良いもん読みました2018/05/17
赤い肉球
1
中学生の時に読破。笹沢ワールドにはまっていて手当たり次第に読みまくってた時代の物。職場に嫌気が差した女性2人が再出発して事件に巻き込まれる、といった内容だった。一人が途中で自殺しちゃうのには、ちょっと残念に思った。
kanamori
0
☆☆★2011/10/14