光文社文庫<br> 鬼子母像

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光文社文庫
鬼子母像

  • 著者名:泡坂妻夫
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 光文社(2021/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334734428

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内容説明

離婚経験のあるタウン誌編集長の奥山美知子は、15歳下のアルバイト・西木総一と愛人関係にある。ある日、二人は取材で訪れた寺の住職から、子を思う鬼子母神の由来を聞く。事故で母親を亡くしたばかりの総一は、いつしか美知子の中に母の面影を求めるが……(表題作)。恐怖、官能、怪奇……。奇才が誘う妖しき世界。多彩な仕掛けのびっくり箱!(全12編)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

29
円熟の境地に至り何でも書けるようになった泡坂先生の男女を扱った短編集。『指輪の首飾り』『幕を下ろして』はホワイダニットにらしさが見えるが、ロマンスから恐怖へ一転する『弟の首』、ファンタジーへと地続きで連れていかれる『竹夫人』、十八番のマジックの話を奇譚として落とす『ライオン』、ですます調の語り口で民話のような味わいを出す『連理』、人生の機微を短い中でじんわりと感じさせる『三郎菱』、トリックを信じる人の心に重点を置いた『ジャガイモとストロー』など、本当にバラエティー豊か。2023/05/15

Ribes triste

8
短編集です。これまで読んだ泡坂作品は妖艶で、トリッキーなイメージが強かったのですが、3編が心に響きました。「三郎菱」の優しい純愛。「色縫い」の子を思う母の気持ち。そして御伽噺のような「連理」。どれも素敵でした。2018/08/19

新天地

5
他の泡坂さんの男女の機微を扱った短編集『折鶴』や『蔭桔梗』ともまた少し違った情念や妄執やエロスが垣間見えた短編集。一番面白かったのは「三郎菱」で、予想できない展開だったが最後は心が温まる内容で素晴らしかった。特に解説にもあったようにその部分をあえて言葉で説明しなくても読んでいればその心情がわかるのがとにかく良い。二番目の「指輪の首飾り」は人生がいろいろなんだなと思う。三番目に「ジャガイモとストロー」。泡坂さんの他の様々なマジックのミステリに通じる話でこれまた面白い。2017/09/30

浅木原

4
わりとエロい(語弊あり)短めの話12編の短編集。ノンミステリー中心のバラエティパックという感じ。ミステリ的にはいかにも泡坂ホワイダニットっぽい「幕を下ろして」が一番いいかな。あと老年恋愛小説かと思ったら全く予想外のオチがつく「指輪の首飾り」もいい。ノンミステリーだと弟の生首と姉のセックスとかいうアナーキーな怪異譚「弟の首」のインパクトが絶大。「ライオン」みたいな奇妙な味の短編も悪くないし、俺でも見抜けるトリックが無情なオチに繋がる「ジャガイモとストロー」もなかなか。特別傑作はないけどぼちぼちの短編集すな。2014/11/09

fengui

2
それぞれに奇妙な出来事が起きるもスルスルと読ませてしまう手腕はさすがの一言。「三郎菱」、素敵なお話し。「竹夫人」、初めて知りました。2013/04/08

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