内容説明
天下を掌握した豊臣秀吉は、ついに無謀な朝鮮侵略を目指す。キリシタン大名・小西行長は、主・秀吉の野望のままに従うか、それに背いて神の教えを守るべきか、と苦悩する。そんな彼に理解を示す石田三成。対照的に敵意むき出しの加藤清正。やがて秀吉を説得し海を渡った行長は、講話交渉の駆け引きに畢生の手腕をふるい、己のすべての夢を賭けた。長編時代ロマン小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
9
なよなよしくて読むのが辛かったが、小西行長像の一面を観たような気もする。2019/06/26
BIN
3
今まで読んできた小西行長もので一番弱い行長を描いている印象。伴天連追放令から秀吉の死までだから文禄慶長の役を中心に描いた作品。戦の酷さを経験してその救いの無さからキリシタンながら神の存在を否定せざるを得なかったり、秀吉の命令に対して見かけ上従って戦争しつつ和平工作を行う面従腹背ぷりの苦悩さがよく書かれている。それはいいのだが加藤清正に貶され蔑まれ、配下の内藤如安等の助言が何もできない人物として描かれていて弱々しい印象が強調されてて、小西行長が好きな私としては面白くない作品でした。2017/06/16