内容説明
本書は、歴史が好きな読者に、偽金作りや法外な慰謝料請求など、坂本龍馬が実行した「知られざる錬金術」を紹介する本です。龍馬が活躍できた本当の理由とは何か、英雄としての龍馬ではなく、史実としての龍馬を紐解きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
31
「竜馬がゆく」を再読中。とても面白く、刺激される点が多々ある。だからこそ「本当の坂本龍馬はどうだったのか」と初読時から気になっていた。この一冊で目的を果たせた。偽金の話はさすがに衝撃。司馬遼太郎は知らなかったのか、あるいは意図的にスルーしたのか。あとは浪人や脱藩の実態。当然無収入になる。援助してくれる人がいないと何もできないか暴発するだけ。亀山社中や海援隊の設立背景、そして江戸城無血開城も先立つものの話と無縁ではなかった。「商人・坂本龍馬がいたからこその明治維新」は過大でも過小でもない適切な大人の評価だ。2022/11/17
えぬ氏もわるよのぉ
8
竹下倫一著『龍馬の金策日記』『坂本龍馬の「贋金」製造計画』と被る内容が多いが、執筆協力に竹下氏の名前があるから当然か。坂本龍馬は、事を為すにはまず金が要るという感覚が、志士の中でもひときわ強かったそうな。亀山社中や海援隊の目的の一つに射利(営利)を堂々と掲げたあたり、商売を卑しいものと考えていた江戸時代の武士としては確かにユニークな存在だったようだ。2021/12/17
読書国の仮住まい
3
個人的に龍馬は過大評価されすぎというイメージがあった。 ただ本書を読むとやはり功績は大なるものがあったと感じざるを得ない。 坂本家は裕福で次男坊の龍馬を江戸に2回遊学させている。 金銭感覚はこの環境で身に付いたのだろう。 松平春嶽や勝海舟との出会いは大きかった。 幕府の金座、銀座を接収するという感覚は鋭い。 但し海軍塾の公費使い込み、第二次長州戦争に参戦し面白いと評したこと、贋金偽造を画策したこと、下関海峡封鎖による荷物差押さえに関与した疑惑、いろは丸の積荷過剰申請疑惑なども同時に知られておくべきだろう。2021/06/23
てまり
1
読み終わって、日本人の龍馬観のほとんどが、司馬遼太郎のフィクションから生まれた気がした。本当の龍馬は、政治家というより、岩崎弥太郎に近い商才あふれる人物だったのでは。幕末から明治初頭、日本には綺羅星のごとく人材が生まれた。残念なことに、その多くが志半ばで、文字通り切り殺された。彼らが生きながらえて、明治の日本で活躍してくれていたら、と、思わずにはいられない。たらればであろうと、龍馬は、財政政策で日本を支えたであろう。私欲でなく、日本人のために。2021/07/24
lalala
0
坂本龍馬は司馬歴史観で築かれていることも多く、違った視点を持ちたいと思い読んだ。幕末の混沌とした時代では、偽金を作ることも可能であっただろう。一説として興味深い。2023/04/26