内容説明
衛星画像を分析して遺跡を探す「宇宙考古学」。現代では、より高解像度でマルチスペクトルな画像を用いることで、踏査の難しい砂漠や密林を探索し、古代の集落、道路、神殿、墓地などを発見することが可能だ。だが、ひとたび遺跡を見つけたなら、やはり発掘チームをつれて現地に赴き、地道な発掘作業が始まるのだ。気鋭のエジプト学者が、みずからの体験を軸に、考古学者の仕事とその魅力、宇宙考古学の最先端と可能性を紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
40
タイトルに惹かれる。著者は「宇宙から遺跡をマッピングするから本来は衛星考古学、なのにNASAが奇妙な名前を付け(迷惑、だけど)、反論できない」と愚痴を言う。この下りが面白く、その奇妙さに「神々の指紋(G・ハンコック)」的展開を期待した自分もいた。本書はブルーバックスとは異なる。著者の視点で宇宙考古学を語るエッセイ集。出張で訪れた中東の国境沿い、車窓から見える住居等は破壊されたまま、途中、担当官から古代遺跡もテロで破壊されたと話があった。その下りを生々しく思い出させる箇所が個人的には本書のハイライトだった。2021/01/24
ルピナスさん
31
面白過ぎて進んでは戻っての読書だった。『レイダーズ/失われたアーク』を観て考古学者を夢見たかつての子供も、生計を立てるという現実問題を考え夢を諦めたというのはよくある話だろう。考古学は最早地中に眠る遺跡を発掘するだけではない。宇宙考古学を始めとした様々な学問が関わる異分野融合の研究となっており、本書では考古学を目指す若者への指針のみならず、クラウドの力を用いて地球のどこにいても考古学研究に貢献し夢を実現できることが紹介されている。破滅した世界から私達は何を学べる?未知の遺跡は五千万か所以上もあるそうだ。2021/04/17
まると
21
あまり共感できない比喩的表現や、長々とつづられる古代社会のイメージ描写など、無駄の多い文章にやや辟易したが、衛星画像で隠れた遺跡を探し出す手法が考古学研究に革命をもたらしているということはよくわかった。考古学に興味を持ったのは、グレーバーが遺作で有史以前に新たな視点を投げかけてくれたからだが、筆者はエジプト学者だけに、まだ古代は王を中心としたヒエラルキー社会という既成概念に囚われているようにも感じた。AIなどの技術革新により、古代は一段と可視化され、人類史に新境地をもたらしてくれるに違いない、と確信する。2025/05/20
奈良 楓
20
【とても良かった】読友さんの感想で読みました。とても面白い本。 ● 衛星などを使った考古学の話。火星の人面石、等の話ではありません。 ● まだまだ未発見な遺跡は山ほどあるという、ロマンの有る話。 ● 作者の考古学への愛が並みでなく、こちらも楽しくなります。 ● 盗掘の章だけは心が痛む。 ● 一般人が遺跡を見つけることのできるクラウドゲームはとても気になる。 ● 著者はTEDプライズにもノミネートされたらしい。2021/06/22
月をみるもの
16
やっぱ、ゆくゆくは他の惑星でもやりたいよね>遺跡探索。そのためにも、まずは地球で練習だよな。。しかし LiDAR で密林、クロップマークで農地、SAR で砂漠と、いずれもうわっつらだけであんまり突っ込んだ話はない。訳者さまのおかげで参考文献が充実してるんで、リモセンパートに関心のある人はそっちを読めってことなのであろう。2021/01/02
-
- 電子書籍
- 異世界建国記【分冊版】 67 角川コミ…
-
- 電子書籍
- 幼なじみが絶対に負けないラブコメ【分冊…
-
- 電子書籍
- カノジョも彼女(13)
-
- 電子書籍
- 週刊エコノミスト2017年10/31号
-
- 洋書電子書籍
-
家庭内紛争の解決
Resolvi…