内容説明
森のはずれの川のそばにあるキリギリスのお店には、どうぶつたちのほしがるものが〈なんでも〉ある。五本脚の椅子、なくならないケーキ、着替え用のうろこや羽毛、〈絶望〉や〈時間〉まで……。生きにくい時代にありのままであることを肯定し、そっと励ましてくれる『ハリネズミの願い』に続く大人のためのどうぶつ物語第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
249
トーン・テレヘン、四作目です。本書は日本での最新作ですが、刊行順で言うと、四作の中では10年前の一番古い作品でした。多様な生物(人間)たちの欲望や我儘を満たすキリギリスのお店は、巨大なショッピングモールの様なものかも知れません。アウトプットばかりしていると、何時か破綻(疾病)してしまいます。しかしキリギリスがこんな働き者だとは思いませんでした(笑) https://www.shinchosha.co.jp/special/kirigirisu/2021/06/20
☆よいこ
88
動物寓話。森はずれにあるキリギリスのお店「なんでもあります。(太陽と月と星以外)」品物だけでなく、スピーチや絶望、新しい句読点など品ぞろえは抜かりなし。キリギリスのモチベーション高すぎ。でも時々はセンチメンタル。シリーズの中では1番好き。▽なんでもない日おめでとう2021/10/18
(C17H26O4)
86
ハリネズミとリスの既読2冊よりも深刻に捉えてしまい少し苦しくなりました。キリギリスのお店には誰のどんな欲しいものもすぐに提供できるよう、何でも取り揃えてあります。家具から句読点から雨から絶望までも。彼は誰も失望させないよう腐心しています。それが使命でありしあわせと思っています。知ってか知らずか動物たちは気軽にお店を訪れて欲しいものを手にしていきます。その裏にもそれぞれの悩みがあって軽いわけではないんだけど、でもキリギリス、君は? ほんとうにしあわせ? ユーモアとともに存在意義について考えさせられます。2022/02/07
Ikutan
70
『ハリネズミの願い』『きげんのいいリス』に続く三作目。今回の主人公は親切で働きもののキリギリス。太陽と月と星以外はなんでもあるというキリギリスのお店に、朝早くから動物たちがやって来る。彼らを失望させないように毎日奮闘するキリギリス。クマにはなくならないケーキを。ミミズにはたくさんの雨を。お客さんの欲求は限りない。絶望、奇跡、恥知らず..。″悲しみ″は少しずつしか売らない。たくさんだと″痛み″になるから。哲学的だったりはっとさせられたり。病気のキリギリスを助けたのはやっぱり彼だった。その優しさにニンマリ。2021/06/13
美紀ちゃん
67
亀の甲羅の上の安楽椅子は、ちょっと想像できない。落ちない?固定できる? ロブスターは乱暴。「明日の誕生日に、結局、何ももらえないとしたら、何がおまえらを襲うかわかるか?良心の呵責だよ」恐ろしい。 「疑い」とか「絶望」も売っている店。 何でも売りたいキリギリス。 森も、地球も、天も、世界全体も。自分自身も売りたい。 毛虫の靴下のところで確信したが、これ絶対に、店の奥にドラえもんがいる。2021/05/17
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