新潮文庫<br> 大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)

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新潮文庫
大奥づとめ―よろずおつとめ申し候―(新潮文庫)

  • 著者名:永井紗耶子【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2021/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101028811

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内容説明

上様の寵愛こそすべて、とは考えなかった女性たちがいた。御手つきとは違い、昼間の仕事に励んだ「お清」の女中たち。努力と才覚で働く彼女たちにも、人知れず悩みはあって……。里に帰れぬ事情がある文書係の女、お洒落が苦手なのに衣装係になった女、大柄というだけで生き辛い女、負けるわけにはいかぬが口癖の女。涙も口惜しさも強さに変えて、溌剌と自分らしく生きた女たちを描く傑作。(解説・細谷正充)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

96
「木挽町のあだ討ち」から逆行して作品を読んでいるのですが、永井さんの作品には絵があるように感じます。映像と言ってもいいのですが、描かれている世界が映っているように感じます。大奥と言えばドロドロした世界をイメージしますが、市井の女性の世界のように身近に感じます。2023/09/08

タイ子

96
時は将軍家斉の時代。大奥に勤める女性たちのお仕事を斬新な切り口で書いた連作短編集。様々な仕事に分かれる大奥にはそれぞれに今の職場と同じで上司がいて部下がいる。奥入りしたからに将軍の寵愛など要らないから自分の仕事を極めたい。配属され、果たして自分はこの職場が合っているのだろうか?と悩み葛藤しながら切り開いていく。まるで今の世にも通じる姿。大奥は女の妬み、嫉みが渦巻く伏魔殿のようなイメージがあるが、この物語に登場する職場の上司は誰もが厳しく優しく導いてくれる。時に胸を熱くしながら大奥の女性たちの矜持を感じた。2021/05/04

さつき

86
徳川家斉の大奥が舞台のお仕事小説。様々な理由で大奥入りした女達が、祐筆や御半下女中など色んなポジションで一途にお役目に邁進する姿を見られ、清々しい気持ちになります。女性が仕事を持つ場がほとんど無かった時代に、自分の才覚で出世できる環境は魅力的だったでしょう。猫や犬など女性達が夢中になったペットの様子も垣間見え面白かったです。2021/07/07

papako

74
単行本から気になってました。めっちゃ良かった!江戸時代のお仕事小説と紹介されていますが、それだけじゃなかった。どろどろの女の地獄と描かれる大奥。だけどそこは女性が生きる場所だったんだと教えてくれました。いろんな役職というか仕事があったんですね。そして何より夕顔改めお正が素敵でした。考え方や行動が素晴らしい。容姿のせいにして、世を拗ねることなくとにかく自分のできることを楽しんでやる。本当に大切なことですよね。愛猫との別れの最終話も良かった。うん、心が洗われました。2021/08/21

がらくたどん

73
職場は「大奥」!①ご感想やご紹介に惹かれてずっと読みたかった。舞台は11代将軍家斉の大奥。そう、出身の一橋から「頑張ってこい」と押されていたという説もあるがとにかく側室多数・認知子歴代トップの「射精責任」があるんだかないんだかようわからん「上様」の後宮。さぞドロドロであろうと下世話は思う。私も思った。ところがドッコイさにあらず。大奥はその実僅かな「御手付き」と多数の「お清」と呼ばれる女子職能集団で構成されたカンパニー。不埒な許嫁をぶっ飛ばして大奥に送られた御家人娘による個性豊かな「お清」達への聞き書き集♪2023/10/24

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