内容説明
紀元前からわたしたちを脅かす天然痘や,ペスト,ハンセン病などの感染症.人類がいかにしてその病原体とたたかい,犠牲をはらってワクチンを開発したかを語る.そして,今度は新型インフルエンザやSARS,HIV,風疹など,新たにやってくる感染症と向き合うために,免疫やウイルスなどの基礎知識を身につけよう.
目次
序章 エリザベートとハンセン病┴マールブルクにて/トリアーのお触書/ハンセン病患者は罪を犯した?/身をささげた聖女エリザベート/無知と誤解による偏見と差別/感染症とたたかう┴第一章 神の仕業から病原体発見へ┴感染症・伝染病・疫病/科学の進歩が予防と治療を可能にする/相手を知れ!/コレラ菌・ペスト菌の発見/病原体をみる、増やす/細菌とウイルス/病原体が人に感染する経路/蚊やネズミが運ぶ病気/大航海時代の感染症伝播/瞬く間に世界中に伝播/世界人口の増加と都市化/世界のさまざまな国で生活すること/ワクチンと免疫機能┴第二章 天然痘根絶への道┴有史以来の恐怖/シルクロードと天然痘/日本への伝播/アステカ文明の崩壊/スペイン人の神とアステカの神/天然痘と神様/人だけがかかる病気/ジェンナーの種痘/権威に屈せず/天然痘根絶に向かって/根絶に貢献した人びと/根絶計画/三つの発見・発明/天然痘根絶の教訓┴第三章 ペストの歴史から学ぶ┴三〇〇年ごとにやってくる/劣悪な衛生環境のもと/ネズミとノミの媒介/肺ペスト/人心の荒廃/『デカメロン』/鞭打ち行進とスケープゴート/死の舞踏/黒死病の影響/保健所・検疫の誕生/新たなペストがこないことを祈りつつ/黒死病のあとのハンセン病┴第四章 身近に迫るエイズ┴身近に迫る怖い病気/エイズとHIV/日本でも増えている/HIVにワクチンはない/免疫とワクチン/人の免疫機構とエイズ/ふたたび日本のエイズ流行を考える/HIVに感染したら/たたかう相手は病気だけでない/ピルの解禁とコンドーム/クラミジア感染症とHIV/日本での感染増加の背景にあるもの/HIVの母子感染/本当に相手を愛すること/なぜHIVのワクチン開発は難しいのか?┴第五章 風疹と麻疹┴風疹とはどんな病気?/グレッグの発見/妊娠初期にかかるということ/沖縄での先天性風疹症候群多発/『遥かなる甲子園』/風疹をコントロールする政策/イギリス方式・アメリカ方式/風疹流行のきざし/風疹ワクチン接種のすすめ/麻疹とはどんな病気?/麻疹はいのち定め/空気感染/潜伏期間を経て/江戸時代の流行/麻疹ウイルスの起源と歴史/ハワイ・フィジーでの悲劇/麻疹によっておこる免疫抑制/高校生や大学生に増えている/終生免疫がゆらぐ/大人の麻疹は診断がつきにくい/ワクチンによる予防┴第六章 新型インフルエンザの脅威に備える┴鳥インフルエンザ/鳥インフルエンザの流行/高病原性鳥インフルエンザウイルス/鳥インフルエンザが人に感染する/人の病気に変化する鳥インフルエンザ/新型インフルエンザウイルスとは/スペインかぜの猛威/インフルエンザとは/変身するインフルエンザウイルス/種類が多いわけ/カモとインフルエンザウイルス/鳥から人へのインフルエンザ侵入/ブタと鳥と人/人と鳥/近い将来、新型インフルエンザが発生する/経済発展と物流のおよぼす影響/人口の増加と人口密度の上昇とウイルスの伝播/もし、新型インフルエンザが出たら……/日本にもやってくる/さらに続く/伝染病対策の三原則/発展途上国の問題解決を┴終章 いのちのあたたかさ あとがきにかえて┴おもに参考にした図書
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