岩波ジュニア新書<br> 魂をゆさぶる歌に出会う - アメリカ黒人文化のルーツへ

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岩波ジュニア新書
魂をゆさぶる歌に出会う - アメリカ黒人文化のルーツへ

  • 著者名:ウェルズ恵子
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2021/04発売)
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  • ポイント 200pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005007660

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内容説明

ゴスペル,ヒップホップなど,アメリカ黒人のつくりだした文化は,なぜぼくたちを惹きつけるのか.歴史をさかのぼり,彼らの伝えてきた歌や物語を読み解いてみよう.そこは「悪い」が「よい」を意味し,小さな者が大きな者をギャフンと言わせる世界.困難を笑い飛ばし,常に楽しみを作り出してきた魅力的な世界へようこそ.

目次

はじめに┴黒人文化のルーツへ/「アメリカの黒人」とは?/この本の読み方┴1章 黒人文化の背景┴マイケル・ジャクソンと黒人文化のルーツ/誘惑と罠/ケンカしないで逃げよう/ワルの親玉が言ったこと/狼男の恐怖/文字を禁じられた人々/キリスト教と黒人文化/アフリカの伝統/「こげよ、マイケル」 天国へと舟をこぐ/黒人文学のいしずえ┴2章 動物民話┴「ウサギと亀」黒人版/「ウサギとワニ」 なぜワニの背中はごつごつなのか?/「歌いたかったカエル」 自分を信じよう┴3章 ジャックの物語 ワルこそヒーロー┴「主人を殺したジョン」 悪いのはだれか/「悪魔とジャックの力比べ」 悪魔より強いジャック?/「悪魔の娘との結婚」 悪魔は理想の父か?┴4章 トウモロコシの皮むき歌 自由になりたい┴単純作業の仕事歌/「食べる前に皮をむけ」/「走れ、ニガー、走れ」/逃げたい気持ちを歌にたくして┴5章 ハンマーソング┴重労働の仕事歌/囚人貸し出し制度/なぜ黒人刑務所にハンマーソングが残ったか/いなくなったジョン/太陽を恐怖して/恋人を想う 歌詞に現れる「自己」/白人のフォークソングへ┴6章 黒人霊歌とゴスペルソング┴アフリカの宗教習慣とアメリカ黒人教会/シャウト/黒人霊歌が有名になるまで/死に魅せられた歌の数々/信仰の喜びを歌うゴスペルソング/「スタンド・バイ・ミー」のルーツ/ゴスペルソングの父、トーマス・ドーシー┴7章 ブルーズ ゆううつといかに距離をおくか┴「だめな自分」という仮面/ブルーズとは?/ブルーズはなぜ「ゆううつ」を歌うのか/チャーリー・パットンの、彼女にふられる歌/嘆きのラヴソング ロバート・ジョンソン/憂鬱がつきまとう/悪魔だけが救い/青い光は俺のブルーズ┴おわりに┴読んでみよう!┴引用・主要参考文献/音源┴キーワード┴章扉イラスト=タケウマ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

20
良書。黒人音楽の流れを黒人の歴史的な背景と共に教えてくれる。「ブルーズ」は何をやっても駄目な自分を歌った。「ゴスペル」が悪魔の歌で「黒人霊歌」は神の歌なのは、神にも見捨てられた者がすがってしまうのが悪魔だから。ドラッグやアルコールとかそういうことだよね。南北戦争で黒人解放された後に黒人が道路建設とか鉄道建設に携わったので、それが「ロック」のロールする始まりだとか。「ハンマー・ソング」と呼ばれる重労働のリズムを取る歌。それは牢獄への歌に歌い継がれる。2018/03/24

クラムボン

18
アメリカの黒人音楽である、ゴスペルソング、ブルーズなどは、土臭くあくが強すぎて若い頃には聴けなかった。しかしそれもいつの間にか、独特なリズムとビートに高揚し、シャウトな歌声に心を揺さぶられるように…。そしてこの本では、歌詞の意味を教えてくれる。そしてそれは歴史的な背景を知ることにもつながる。黒人文化のルーツの一端を垣間見たようだ。最近のヒップホップにも、触れて欲しかったな! 未だに馴染めないので…。2021/08/09

skunk_c

11
同年代のアメリカ音楽研究者の書。歴史的背景を丁寧に説明しながら、アメリカ黒人の奴隷時代から面々と続いてきた「歌」の歴史をジュニア向けにわかりやすく解説している。特にワークソングやゴスペルの解説は訳詞も踏まえて理解しやすく、入門には適当か。またブルースを「ペルソナ」と捉えるのは新鮮。しかしいかんせんブルースについては踏み込みも聞き込みもいささか不十分。そもそも"Blues"が発音上「ブルーズ」だからってそれを使うのは聴いてない証拠(黒人が歌うと多くの場合ブルースとしか聞こえない)。三井徹氏に寄りかかりすぎ。2016/07/30

かんがく

10
ロック、ブルーズ、カントリー、ゴスペルなどの黒人音楽の背景にある、キリスト教信仰と奴隷制の歴史について。ジュニア新書なので入門向けとしては最適。もっと詳しく音楽の歴史について知りたくなった。2024/12/06

yuri

9
ブルース、ゴスペルなど黒人音楽のルーツをわかりやすく解説した本。厳しい奴隷労働を生き抜くために、黒人たちの中ではずる賢かったり、怠けたりの”bad”な行動こそが”good”になったそうだが、黒人の動物民話にもその価値観が如実に反映されているという指摘は初めて聞いたので面白かった。参考文献も大充実でめちゃめちゃ有益。もっといろんなブラックミュージックを聞いてみたくなった。2018/07/20

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