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内容説明
新型コロナウイルスの「次」に来る、動物由来のウイルスは何? 本書では批判を恐れない提言で注目されるウイルス学者が、ペットのイヌやネコが媒介するウイルス、計50頭のニホンザルが血を流してばたばた死んだ原因となったサルレトロウイルス4型など、変異すれば人間社会を脅かす可能性があるウイルスを紹介します。しかし実は、病原性のウイルスは全体のごく一部。病気を起こすどころか、1億年以上前に哺乳類の進化を促したウイルスもあります。すなわち、宿主のDNAを書き換える力を持ち、哺乳類の胎盤の形成に関与したといわれているレトロウイルスです。本書ではレトロウイルスの驚くべき力についても解説します。さらに、「そもそもウイルスとは何か?」、「新型コロナウイルスのワクチン」などのテーマも解説。「多次元」のウイルス学を提唱している著者が京都大学で行なっている、1回生(全学部)向けや医学部2回生向けの授業などの内容を収録した、著者初の単著です。高校生でも十分理解できるよう、わかりやすい解説を目指しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
131
勉強になるいい本だ。新型コロナ関連本というより、ウィルスとは何か、ウィルスと進化との関係は、などの本質を教えてくれる一冊である。宿主のDNAを書き換えるレトロウィルスという存在を初めて知る。哺乳類は、積極的にレトロウィルスの遺伝情報を取り込んで多様化(進化)を果たしたとする著者の主張は壮大である。人類は八百年以上ウィズコロナであり、新たな生活様式など不要だという主張もユニーク。それにしても、本の題名にどうして「京大」などという言葉が必要なんだろう。東大王とか京大とか…そんなレッテル貼りは、もうやめようよ。2021/07/13
きみたけ
102
著者は京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸氏。大学のゼミや授業で行っている「ウイルス学と免疫学の最前線」「人獣共通ウイルス感染症」をもとに一般向けに解説した本。変異すれば人間社会を脅かす可能性がある動物由来ウイルスを紹介。鳥インフル「H1N5」はヘマグルチニン(HA)タンパク質の1型とノイラミニダーゼ(NA)タンパク質の5型、なるほど😅体の設計図DNAをコピー、手順書RNAを作り、そこからタンパク質を作る(セントラル・ドグマ)、エヴァですね。ヒトゲノムの半分は未解明、これからが楽しみです。2021/12/03
アキ
99
獣医から見たウイルスの世界は、人間にとって病原体になるウイルスは氷山のほんの一部である。最近40年間に約100個の新興ウイルスが出てきている。予測ウイルス学でイヌやネコのペットから変異したウイルスがヒトに感染することを考えると想像するだけで恐ろしい。今回の新型ウイルスも動物のコロナウイルスがヒトに感染する8回目のウイルスであり特別なものではない。内在性レトロウイルスがヒトのDNAの中に9%以上入っており、現生人類が100万年後に絶滅する頃には、新たな生物にレトロウイルスが遺伝子を書き換えているのでしょう。2021/08/24
謙信公
81
新型コロナウイルスの次に来る動物由来のウイルスは?そもそもウイルスとは?ワクチンリスク、決して悪者ではないレトロウイルスなど、わかりやすく解説。マスコミ報道により新型コロナウイルスは特別なものと勘違いされがちだが、頻繁に現れる新興ウイルスの1つ。著者は異端のウイルス学者だと批判されるが、仰ることは正論。学者なんて変わった人が多い。そもそも「専門家」会議のメンバーに、なぜウイルスの「専門家」がいないのか?これで適切な対策が立てられるのか?補助金等、己の利益を優先するための対策か?混乱した事実が全てを物語る。2024/04/26
ミライ
54
京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授の宮沢孝幸さんが新型コロナウイルスなどのウイルスについて解説した一冊(高校生にも読めるように作られているそうだ)。新型コロナの次に来そうな動物由来のウイルスの紹介~RNA→DNAの逆転写酵素を持つレトロウイルスについての解説まで、読まなければ知ることのなかったであろうウイルス知識が盛り込まれていて非常に面白かった。本書を読むとゼロコロナは現実的には不可能で、ウィズコロナとして今後もコロナとともに暮らしていく必要があるのだと気付かされる。2021/08/30
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