内容説明
36歳、うつ発症。
料理ができなくなった
食文化のジャーナリストが
発見した22のこと。
家庭料理とは何か。
食べるとは何かを見つめた
実体験ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TAGO
10
うつの症状が丁寧に描かれていて最悪な時期は 「瞳を動かしたり瞼を閉じるのでさえしんどかった」には驚いた。 うつになる要因は生育環境や職場でのパワハラや住環境や「ねばならない」と思ってしまう肩にのしかかる見えない圧など、他人事じゃないなと思う。 「ねばならない」は自分を苦しめるなとつくづく思う。 ホントに「ねばならない」のか? 今の時代ネットで検索して俯瞰して眺めることも可能だし、この本もそうだし「ねばならない」の意識の縄が解けて、これからはもう少し気楽に身軽に過ごせたらいいなと思う。 2023/06/14
ぽけっとももんが
8
家庭での料理担当者の最大の特典は、自分の食べたいものが食べられることだと思っている。だからあまり苦にならないのだ。ただ、心が弱っている時にはそれが大変な負担になるという。料理できるのが心身ともに健康のバロメータであるならば、明日もしっかりお弁当も晩ご飯も作りましょうかね。何がたべたいかなぁ。2021/07/28
きゅー
6
食文化を中心に執筆活動を行っているノンフィクションライター阿古真理によるうつ病体験談。彼女の著作が好きで何冊も読んでいるが、彼女がうつ病を患いはじめたのは、それらの本が書かれるずっと前のことだったいう。タイトルからハウツー的なイメージをもって読み始めたが、そういうものではなく、彼女の半生記といったものだった。このような本が出版されるほど彼女の名前が有名になったと思うと、愛読者としては嬉しい限りだ。山あり谷ありの生活を夫と二人三脚で生きてきた姿はたくましい。2023/07/24
ヒヨドリスキ
6
うつを発症したら料理を作るのが苦痛になった著者。毒親の呪縛からの脱却、ジェンダーの縛り、料理を楽しめなかった日々を綴った一冊。毒親と縁を切ったらうつも楽になってた。夫さんに理解して貰ってのがうらやましい。毎日献立変えなきゃっていう謎のプレッシャーは捨てて、土井先生の一汁一菜みたいに簡単でも好いと気楽に構える位でいいのよね~。これ読んでたら自分も軽くうつ傾向だったなと気づいたわ~。2023/03/18
Hirouch
6
文章は簡潔で表現もわかりやすいのに、何故だか読むのに苦労しました。 読んでもすっと心に入ってこなく、理解するまでに時間がかかるのです。 おそらくは著者の根本的な価値観と自分のそれとがズレていて共感力が働かないからでしょう。 食べること、そして食べるものを自らこしらえる料理が人生においていかに大切か、という部分にはいたく賛成です。2022/09/21