内容説明
【ハヤカワ時代ミステリ文庫】一人前の料理人を目指すさくら。料理の師である竜次が直面した人生最大の困難に、さくらは心をこめた料理で助けになろうとする。人情、友情、愛情……滋味溢れる料理時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
82
シリーズ第三弾。吉原の妓楼で賄い方をするさくら。花魁としてデビューする千歳を祝う話、板長の竜次の過去の出来事。大阪は岸和田生まれのだんじり大好き男の竜次が江戸に来る発端となった事件。ある事件を起こし、家を出奔してから家族とは音沙汰無しの竜次が江戸の火事で手にけがを負う。再び包丁を握ることができるのか、おせっかいさくらのうずうずが止まらない。この作品の物語自体は面白いのだが、いつも読んでいて気になるのは登場する人たちの言葉遣いの悪さ。吉原云々ではなく、もう少し言葉遣いが違うなら一段上の面白さになるかも。2021/05/26
真理そら
52
岸和田のだんじり祭りの熱気が伝わる。竜次の抱えていた問題も解決するし初登場の頃に比べると男前度はアップしてきた。でも、言葉づかいの汚さが竜次の料理の手先の繊細さや実はイケメン設定や料理の味の良さをイメージさせにくい気がしてもやもやする。岸和田弁は確かに荒っぽいけど、でも…。さくらの想い人は伊織なのは分かるけど竜次との間もなかなかなものがある、そっち方向に進むのかも。2022/02/05
ごへいもち
12
やっぱり吉原感覚に違和感2023/12/03
犬養三千代
8
大阪それも泉州岸和田とくれば蟹、蟹祭り。 「そりゃーそりゃー。年に一度の蟹祭り!!」の掛け声。 学校には腹痛と届けて法被に着替えて過ごす二日間は至福の時。 吉原大火のあと仮宅でのさくらと竜二の人間模様、、続きはいつ出るのか楽しみだ。2022/01/24
陽ちゃん
5
シリーズ3作目。千歳が佐川花魁として無事にお披露目できたものの、火事で吉原の殆が焼け、さくらたちは佐野槌屋の別荘で避難生活を送ることに。吉原の本宅と違い、アットホームな仮宅では花魁や禿たちが料理の真似事をしたりしてちょっと楽しそうです。そんな中で、竜次の岸和田での過去が明らかになり、どうなるとこかと思いましたが、最後に丸く納まって良かったです。それにしても、三十路のさくらは鈍感すぎですよね。2021/06/12