コロナ後の食と農 - 腸活・菜園・有機給食

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コロナ後の食と農 - 腸活・菜園・有機給食

  • 著者名:吉田太郎
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 築地書館(2021/04発売)
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  • ISBN:9784806716099

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内容説明

ジャンクフード大国アメリカでは、肥満と免疫力低下が大量の感染患者を産み、
世界の密飼される工業型畜産が病原菌や、ウイルスの潜在的な培養器となっている。

農業をオーガニックに全面転換すれば生産力が落ち、食肉の値段は跳ね上がり、
増加する人口を養えないと言われてきた。
コロナ禍を契機に、カロリー過多の飽食が問い直され、
農業政策を多品種・地産地消とオーガニック増産にシフトするEUが、
切り札として掲げる武器はハイテク農業ではなく、公共調達による有機給食だ。
栄養素と食物繊維たっぷりの食は免疫力をたかめてコロナ予防にも役立つ。
学習意欲もアップする。

本書は、こうした世界の潮流に逆行する奇妙な日本の農政や食品安全政策に対して、
パンデミックと自然生態系、腸活と食べ物との深いつながりから警鐘を鳴らす。

日本の有機給食の優良事例から一人ひとりが日々実践できる問題解決への道筋を示す本。

目次

まえがき

第1章 小規模家族農業の解体と工場型畜産がコロナ禍を生んだ
新型コロナはなぜ中国の「武漢」で発生したのか
小規模家族農家を辺境に追いやるグローバル化がパンデミック多発の真因
工場型畜産は、感染症ウイルスの製造工場
致死率60%のパンデミックが襲ってくる世界
根本的な解決策はワクチンにあらず―工場型畜産の製品をボイコットせよ
いま時代は転換点?―環境意識を持つ政治家が選ばれるとき
コラム1-1 コロナ禍によって完全に様変わりした食料安全保障と食料主権
根本からの見直しが必要な工業型農業の技術的な修復は不可能
グローバル流通時代の終わりとローカル化の始まり
ますます重要となる食料主権と小規模家族農業
コラム1-2 牛を野に放ち食を健全化すれば、有機農業で欧州は自給できる
地球を守るためには肉食系はご法度―ゆるベジで100倍も地球を守れる
欧州は有機農業に全面転換しても自給できる

第2章 大転換するコロナ禍後のヨーロッパの農業政策「農場から食卓まで」戦略とは
欧州発のフードシステムを持続可能性のグローバルスタンダードに
これまでのビジネスに戻るのはもう止めようじゃないか
農地の10%を自然に戻し有機農業を3倍に
アグロエコロジーに転換すれば農薬の半減は可能だ
移民労働者に依存するフードシステムが問いかけた食料安全保障
ローカルな地産地消とアグロエコロジーで欧州は自給できる
コラム2-1 「農場から食卓まで」戦略をめぐる既得権益と市民社会とのバトル
農薬削減量は八割とゼロの中間で五割に決着した?
マネーよりも命の選択を―市民NGO からの反撃の声
農薬削減、遺伝子組み換え(GMO)規制、工場型畜産の解体のいずれもが不十分
温暖化を防ぐために有機農業の活用を――若者たちもCAP 政策転換を求める
コラム2-2 全欧州からの3600人以上の科学者がCAP に改革を呼びかけ
少数の既得権益集団を利するための「ゆるエコ」で規制が歯抜けになることを懸念
農地の一割を自然に戻しアグロエコロジーを実践する農業者を支援せよ
コラム2-3 社会科学者を交えたエビデンスに基づく政策提言
不必要な食料の生産は止める?EUの頭脳集団がアドバイス
望ましいフードシステムへの転換の鍵は規制と学校給食

第3章 有機給食が地域経済を再生し有機農業を広める
公共調達という切り札で環境や社会問題を解決する
地場農産物への投資は地域経済に七倍もの見返りをもたらす
給食にオーガニックと地産地消を義務づけ
栄養表示の義務づけ・消費者の需要喚起で有機生産も急増
健康のために肉を減らす?2019年秋から始まったベジタリアン給食
100%有機を人権として市計画に位置づけるスウェーデンのスマート食
コラム3-1 デンマークの有機給食
有機レストランが大繁盛?ブームの切っ掛けを作った有機学校給食
有機農産物の生産大国と消費大国として世界に存在感
公共の「食」を通じた栄養での社会的格差をなくす
首都コペンハーゲンでは給食素材の九割以上が有機に
有機給食への転換の鍵を担ったコペンハーゲン「食の家」
子どもたち自身を料理人に?ロブスター料理の技を身に付ける特典も
経費をあげず全国で有機給食を実現させる『コペンハーゲン・モデル』
コラム3-2 有機給食と食の自治のルーツを求めて
自然農法の聖地の雛を孵した一課長
日本で初めて有機学校給食米を実現させたいすみ市
日本で初めて遺伝子組み換え(GMO)規制条例を実現させた今治市
有機給食実現運動のルーツにあったのは教育
コラム3-3 「大地を守る会」と有機学校給食
全国初の有機学校給食が誕生
格差社会が拡大する今だからこそ有機給食で需要創出を
社会を変える力は足元にある
コラム3-4 ミネラルたっぷりの学校給食で荒れた学校も変わる
給食を変えるだけで問題校が一変
自販機を撤廃、カフェで野菜と全粒パン
食を変えれば脳は健全に機能する

第4章 免疫力を高めるために海外ではオーガニックがブームに
運動と健全な食での腸活で免疫力を鍛えることが最善のコロナ対策
コロナ死因の最有力候補は貧しい食生活による肥満
第二波襲来にはワクチンよりも食を整える方が有効
オーガニックに走る消費者たち?今後5年で1.5倍に?
破綻するグローバル流通?コロナは地産地消時代に向けたリハーサル
コラム4-1 オーストラリアで始まったタネの図書館
市民の自給用にタネを増やすシード図書館が誕生
タネを守るため小規模家族農業を応援するスローフード協会
ゲノム編集農産物の汚染から在来品種を守ることが大切
コラム4-2 世界的なタネ不足
コロナ禍の中での世界的な菜園ブーム、雛を育てて卵も自給
タネ不足のため店で買ったカボチャからタネを取り出し

第5章 良い油の選択が地上に平和をもたらす
魚油サプリメントだけで凶悪犯人のキャラが一変
魚の消費量と鬱病・犯罪率が相関する
魚の油、オメガ3脂肪酸が炎症を防ぎ心も癒す
脂肪のバランスが崩れて乱される神経細胞の意思疎通
工業型のサラダ油と工場型畜産が歪めた必須脂肪酸のバランス
コラム5-1 からだに良い脂肪と悪い脂肪
なぜ脂は固体で油は液体なのか
酸化しやすい不飽和脂肪酸の問題を解決したトランス脂肪酸
飽和脂肪酸、トランス脂肪酸が油悪玉説の原因だった
トランス脂肪酸では細胞膜の流動性が低下することが問題

第6章 健康になり環境を守るため全食品に栄養表示を義務づけ
食と関連する肥満と病気から全食品に栄養表示を
よい食材には青信号、赤信号はそれなりに―フランス発「栄養スコア」
放牧された牛か薬漬けの牛の肉かも表示せよ
地中海料理の原則から栄養バランスを―イタリア発「栄養バッテリー」
繊維を添加するだけでランクがあがるスコアなら加工食品メーカーに有利
大切なことはバランスが取れた食事をするための食育

エピローグ
あとがき──グローバル化時代の終焉
引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kamekichi29

2
世界で地産地消型の有機農業への転換が進んでいるよう。特にコロナの影響でグローバル経済の危うさが露呈し、有機農業への転換が進んでいるみたい。アジアの国々もどんどん進んでいる様子。食においても日本はガラパゴス化しているようで悲しくなってくる。2022/07/23

みずのり

0
食倫理、動物倫理、そしてポストコロナのオーガニック志向の食生活は大きく関係があり、世界が動き出す。コロナ後の経済がコロナ前の水準に戻るには…といった側面でしかメディアでは語られない日本。食生活の側面ではまだまだ欧米と比較したら健康的であるのも事実だけれど、サステナブルとSDGsが一時の流行として消費されている現状に危機感を持たざるをえない。自分でコントロールできる範囲での食事のあり方は、今後真剣に考えていきたいな。2021/08/11

ジャンルバルクイネー

0
コロナに対する考え方、将来への考え方が世界と日本でとても違うことに驚いた。日本はどうしてこんなに遅れているのだろうか。 でもいずれ世界の考え方に近づいていくのだろう。 良いものは良い。最終的にはお金よりも健康と環境でしょ!近い将来日本もこうなる。2021/01/09

Go Extreme

0
小規模顔家族農家を辺境に追いやるグローバル化→パンデミック多発 工場型畜産:感染症ウィルスの製造工場 重要となる食科主権と小規模家族農業 ゆるベジで100倍も地球を守れる 農地の10%を自然に戻し有機農業を3倍に アグロエコロジー 移民労働者に依存するフードシステム 有機給食 給食にオーガニックと地産地消を義務づけ ベジタリアン給食 運動と健全な食での腸活→免疫力↑ コロナ死因の最有力候補:貧しい食生活による肥満 良い油の選択 よい食材には青信号・赤信号はそれなりに バランスが取れた食事をするための食育2020/12/05

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