藻類  生命進化と地球環境を支えてきた奇妙な生き物

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藻類  生命進化と地球環境を支えてきた奇妙な生き物

  • ISBN:9784806716051

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内容説明

プールの壁に生えている緑色のものから、
ワカメやコンブといった海藻、
植物の体内の葉緑体やシアノバクテリアまで、知っているようでよく知らない藻類。
だが、地球に酸素が発生して生物が進化できたのも、人類が生き残り、脳を発達させることができたのも、すべて、藻類のおかげだったのだ。
この1冊で、一見、とても地味な存在である藻類の、地球と生命、ヒトとの壮大な関わりを知ることができる。

目次

プロローグ

第1部 藻類と生命誕生
1章 池と金魚とアゾラ
有機農法に効くアゾラ
2章 酸素を放出! シアノバクテリア
藻類がネバネバしている訳
3章 原核生物の支配は続く
微細藻類の誕生
4章 藻類、上陸への第一歩
乾燥と紫外線に強いシャジクモ藻類/陸上植物の先駆者、苔類
5章 地衣類の登場
土壌を作った地衣類
6章 地衣類観察ツアー
大気汚染の監視役

第2部 海藻を食べる人々
1章 脳の進化と海藻
進化の鍵はヨウ素とDHA/人類が辿ったケルプ・ハイウェイ
2章 日本の海苔を救ったイギリス女性藻類研究者
日本人と海苔/海苔の成長の謎を解いたドリュー博士
3章 韓国の海苔事情
国家プロジェクトで海苔生産/活気に溢れる海苔産地
4章 ウェールズ人も海苔が好き
ラバー海苔の可能性
5章 持続可能な海藻採取
味噌汁の効能/昔からの海藻採集法/天然ものへのこだわり
6章 広まる大規模海藻養殖
貝養殖から海藻養殖へ/養殖が天然ものを守る
7章 子どもたちを救うスピルリナ
拡大を続けるスピルリナビジネス

第3部 高まる藻類の可能性
1章 農家と海藻の深いつながり
注目を集めるロックウィード/海藻抽出物の力/海藻とプレバイオティクス
2章 微生物研究と藻類
需要が高まる藻類コロイド/救世主、寒天誕生
3章 イスラエルで海藻養殖
陸上海藻養殖の未来/広がる魚の陸上養殖
4章 藻類からランニング・シューズを作る
ガラス製造とケルプ/藻類プラスチックができるまで/原料を探し求めて/新たな生分解性プラスチック
5章 夢の燃料、藻類オイル
原油価格と藻類オイル開発/苦難が続く藻類オイル生産/世界初の屋外藻類農場/光合成をしない藻類の活用
6章 魚とヒトの栄養食
減少を続ける飼料用魚/天然魚を救う藻類/藻類関連企業の躍進
7章 コストの壁に阻まれる藻類エタノール
藻類エタノールを最初に思いついた男/遺伝子改変に成功/藻類エタノールの敗北
8章 藻類燃料の未来
オイル生産に最適な藻類を探せ/地球温暖化がもたらす巨額の損失/電気自動車の弱点

第4部 藻類をとりまく深刻な事態
1章 サンゴの危機
美しいサンゴ礁の風景/サンゴと褐虫藻の共生関係/海水温上昇と窒素の流入
2章 サンゴ礁を守る人々
サンゴの移植作業体験/サンゴが生き残る条件/サンゴ礁は待ってくれない
3章 有毒化する藻類
藻類ブルームの大規模発生/「死の海域」の出現
4章 藻類による浄化
芝生状藻類の活用/人工湿地の限界/浄化までの長く険しい道のり
5章 暴走を始めた藻類
大発生が止まらない
6章 気候変動を食い止められるか
鉄散布の是非

エピローグ
謝辞
料理の幅を広げる海藻料理のレシピ
参考文献
索引
訳者あとがきにかえて──地球進化と生物進化を再構築できる藻類研究の魅力

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

yooou

8
☆☆☆☆★ 生物学的な本かと思っていましたが、地球環境や我々との関わり合い、そして今後の可能性について書かれていて面白く読みました。訳者が藻類学者の井上勲氏で脚注で本文を訂正してきたりするのも楽しい(笑)2022/06/26

海星梨

7
藻類の共生について知りたかったので、そういう点ではハズレ。ただ、ジャーナリストの著者なので、広い視点でいろんなトピックを深掘りしていく。藻類の歴史から始まり、食用藻類ビジネス、そして石油の代替になったり、二酸化炭素を取り除き地球温暖化を防げる可能性まで。藻類オイル自体は技術的にできているというのが驚き。価格競争で石油に負けたらしい。って、アメリカ政府さんマジで何してんの。軍用フードにあんだけ投資してんだから、藻類オイルにも投資しろよー!! まぁ、アラブ諸国との関係で難しいんでしょうが。2024/05/03

mft

3
サイエンスライターが書いていて、そんなに深い話はない(とは他の人のレビューで前もって知ってはいたが、まさにそう)。地衣類に1章割いていたので一応読んでみた、という以上のものではない2025/07/29

人生ゴルディアス

3
訳註?で時折、記述が古かったり不正確だったり指摘されてて、ちょっと不安が残る本だった。特に日本についての記述で、日本人の50%だか75%は一日に一杯味噌汁を飲む、とかあって、ジャパニーズハラキリも現存すると思っているのでは…? と感じさせた。序盤は藻類の生物学的な説明を進化の観点などから説明。中盤は文化史。後半は藻類を利用した産業や環境問題など。幅広い内容を取り扱い、藻類オイルなどそういやそんなのあったな、というトピックも思い出せたのでよかった。菌類の本でよくわからなかった地衣類がおさらいできてよかった。2020/11/04

takao

3
ふむ2020/09/21

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