内容説明
2021年度より公立学校教員への導入が可能になった「1年単位の変形労働時間制」.この制度は教員の多忙化解消につながらないどころか,さらに多忙化を進展させる可能性すら含んでいる.本書では,学校がおかれている実情や法制度を踏まえつつ,この制度の持つ問題点について,現場教員を含む様々な視点から論じる.
目次
第1章 学校の現状を見える化する 「一年単位の変形労働時間制」の導入は可能なのか?(内田良)┴1 財源なき働き方改革┴2 一年をとおした働き方の現状 学校に「閑散期」はあるのか?┴3 これから学校で何が起きるのか┴第2章 なぜ、このような働き方になってしまったのか 給特法の起源と改革の迷走(広田照幸)┴1 給特法の成立過程 ボタンの掛けちがい┴2 三十年以上にわたる教育改革疲れ 業務の水膨れ┴3 広がる教員の業務範囲┴4 上に弱く、下に強い文科省の構造┴5 学び続ける教員であるために┴第3章 給特法という
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
oooともろー
5
トンチンカンな教員の働き方改革ならぬ改悪。ますます過酷になるだろう。お金はかけずに現場の工夫任せ。2020/03/31
matsu
4
教員の働き方の問題点をまとめた一冊。ニュースなどでこの問題について知っている人にはそこまで目新しさはないけど、全体を俯瞰できる点で優れている。2020/04/05
Ken.
3
年度の変わり目に読む価値のある一冊でした(たった620円+税!)。正直なところ、ごく自然な流れで教員になろうと思って教員になる自分は、労働条件や賃金を調べるなんてことはやっていない(民間に就職した同期や先輩後輩に驚かれる)。だから「給特法」や「教員の働き方改革」というワードを聞いてもピンと来ないのです。そんな読者にとっては一読して最低限の知識に触れられたという感じです。最終章の斉藤ひでみ氏の章から読むのが入りやすいかもしれません。明日から、自分のこととして考え向き合っていきたいと思います。2020/03/31
たく
2
☆☆☆☆☆ 給特法成立の経緯や、新しい変形労働時間制に潜む危険がよくわかりました。法律って、よくよく考えて作らないと、とんでもないことになりますね。偉い人たちは、そのことを肝に銘じてほしいし、悪法がのさばらないように、私たちは声を上げないといけない。ちゃんと選挙に行かなきゃね。2024/03/02
Hachi_bee
2
本書のようなものを、全教職員組合は各分会に購入・配布するべきだと思う。当事者の理解が足りないのではないだろうか。 そもそも、教員のなり手を確保しようとしているはずなのに、変形労働時間制を含む様々な施策はそれに水を差しているようにしか思えない。金をかけて、給料を引き上げ、人を増やすのが近道であり、今後の国の基礎を固めることになると思う。 現文部科学大臣の下では、文部科学省の職員もやっていられないかも知れませんけどね。 https://www.kyobun.co.jp/news/20200610_01/2020/06/21
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