内容説明
強者のためだけの経済政策,自衛隊員の命を顧慮しない安保法制,民意が反映されない政治――いずれも憲法の基盤をなす人権の問題である.すなわち,聞く耳持たず,弱者切り捨てを断行するアベ政治そのものが“憲法違反”なのだ.しかし,私たちは決して,切り捨てられる“弱者”たり得ない. この憲法のもと,民主主義のある限り!
目次
グローバル時代の救世主、それが日本国憲法 正義と平和が出会う時(浜矩子)┴集団的自衛権はなぜ間違っているか(柳澤協二)┴これは民主主義ではない 強者の欲望に寄り添う権力のもとで(内橋克人)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
27
安部政権の批判の先陣に立つ3人の方々による安部分析。親米路線で競争原理、市場原理の都市党を「ドアホノミクス」と呼んで詰めよります。「非戦闘員への無差別攻撃を禁じたハーグ陸戦条約、1度でも守られたことがありますか?本物の戦争にルールはない、その事を首相はご存じない」確かに批判したい側面もあるけど、総理大臣が個人的に無能だっていう俗人的な資質問題を指摘するに留まるのはあまり意味がないと思う。誰の政権でもダメ、でも逆に言えば誰の政権でも、今のところ革命も通貨危機も飢饉も起こっていないんですよね。2019/02/14
SURI
7
2015年5月に行われた鎌倉・九条の会の講演内容を収めたブックレット。お三方の話はどれも読み応えあったのだが、特に印象に残ったのは内橋克人氏の話である。現首相に対し‟「戦争を知らない軍国少年」の「戦争ごっこ」”と揶揄する氏の言葉の裏には、戦争体験者だからこその平和への強い思いが感じられた。現政権がすでに「スリーM」(メディア、マネー、マインド)をコントロールしている事にもっと多くの国民が気づく必要があるだろう。2016/10/29
イボンヌ
1
浜さんの言葉が痛快です。安部総理の事をボロクソに2015/11/13
やすかりし
0
浜氏の「国家と国民、逆転の構図」、柳沢氏の「抑止から危機管理」など、普段頭を使ってないなあと反省しつつ読み進め、内橋氏の「利用される日本人の頂点同調主義」でとどめをさされる感じ。組織にいるとねえ、どうしてもねえ。この本は2015年発行。あのころのなりふり構わないアベ政治にはうんざりさせられたが、さらにコロナ禍に布マスクが送り付けられてきたときには悪い夢かと思った。いろいろあったが先月、自民党はまた選挙に勝った。それが多数の国民の意思であると示された。2021年、選挙で意思表示できる民主主義はまだある。2021/11/14