春のウサギ

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春のウサギ

  • ISBN:9784092906440

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内容説明

繊細な少女の気持ちによりそう優しい物語。

かわいそうなアミ―リア。
みんながそう言う。
本当にわたしはかわいそう?
大好きな陶芸工房に出かけよう。
そうしたら元気が出るかもしれない・・・・・・。

陶芸工房に通うアミーリアは、ウサギの置物作りに熱中していた。春休みになり、いろんなポーズのウサギを毎日作って並べて楽しんでいた。そこで出会ったケイシーと意気投合。誰にも話したことのない悩みを話すようになる。
アミ―リアは、小さいころに死に別れたお母さんと会いたいとケイシーに打ち明けた。
すると、ケイシーはある提案をする。
「あそこにいる女性がお母さんだと仮定してみようよ」と。
物語は、思わぬ方向に展開していくのだが…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

64
優しく繊細な物語。12歳のアミーリアは2歳の頃に母親を亡くし、大学教授の父と二人暮らし。アミーリアは親友が外国に行ってしまい、母の死から立ち直れていない父親との関係はぎくしゃく。心に孤独を抱えていた。だがそんなある日、アミーリアの周辺にある女性が姿を見せる。アミーリアはその女性が母親に違いないと考えるが……。それぞれが心に傷を持ち、不器用に生きている。アミーリアの家の家事を手伝うオブライエンさんがとてもいい。ちょっと岩瀬成子さんのような、繊細な世界。2023/09/11

ぶんこ

38
2歳で母が病死したアミーリア12歳は、向かいに住むオブライエンさんが毎日家事をしにきてくれ、寡黙な父との間の潤滑油のような存在で大切な人。旅嫌いな父にどこにも連れていってもらえない春休み。陶芸教室に行くのが気晴らし。そこで同い年のケイシーと出会い仲良くなる。カフェから見える人に名前をつけて空想する遊びが楽しい。母に似た人を見つけ、名前をつけて空想していると、意外な展開に。淋しいアミーリアと思っていると、周りには優しい人が見守ってくれていました。父親が娘を愛している、その無骨な愛情表現にもウルッときました。2023/09/26

おはなし会 芽ぶっく 

12
『おすすめ!世界の子どもの本 2022』JBBY選 で紹介されている読みもの。 母を早くに亡くし、娘との会話が苦手な乳と暮らすアミーリアは、陶芸工房でウサギの置物をつくるのが楽しみ。陶芸工房で出会う人々とアミーリアの心の変化が温かい。2023/05/04

mntmt

11
思春期の少女の心の動きを丁寧に描いています。2021/05/30

にしの

10
社会に問いかけるような児童文学が続いていたから、たまには心の動きを描いた作品でも読もうと思った。悲観的でナーバスな少女が出来事を通じて再生していく話で、読者を考えさせたり傷つけたりしない。良い読書だけど、いい映画があまり記憶に残らないように、本作もすぐに記憶から消えていってしまうのだろう。2022/10/29

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