幻冬舎文庫<br> 向こうの果て

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幻冬舎文庫
向こうの果て

  • 著者名:竹田新【著】
  • 価格 ¥742(本体¥675)
  • 幻冬舎(2021/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344430754

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内容説明

同棲相手を殺害した容疑で逮捕された池松律子。将来を期待される若手検事・津田口が取調べに当たるが、罪は認めるも動機については語らない。調べを進めると、彼女を知る男達の証言によりいくつもの顔が浮かび上がる。娼婦のような女、残酷な女、 つきな女、太陽のような女......。真実の顔はどれなのか。津田口自身もまた、彼女に翻弄され始め――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

M

51
「律子はあなたにとってどんな女でしたか。」娼婦のような女。残酷な女。嘘つきな女。太陽のような女…。虐待を受けて育って、きっと自分を守るために変幻自在に人に合わせるサガになって。ヘタに美しいから寄ってくる男が後を絶たなくて。媚態を覚えて。でも愛を知らず。心の洞は埋まらなくて。平穏な人生なんてムリだよねって思う。だって不安しか知らないんだもの。同族でも共倒れになるし、異種でも価値観の差で長くは続かないから救われない。美人じゃなかったら、少しは足元を見て一緒に人生をやり直せる相手と出逢えたのかな、なんて思った。2021/05/25

momi

40
保険金目当てで同棲相手の幼なじみを殺したとされる…いくつもの顔をもつ女!彼女の真実の顔はどれなのか!冒頭のシーンでこの女が男を殺しているのにもかかわらず慈愛に満ちた…愛があるような感じを受けてしまってから…女のことが知りたくて一気読み!!徐々に…この事件を担当することになった検事がミイラ取りがミイラになるのではないかという不穏な空気に包まれるが…全てが 少しずつ明らかになるにつれ…女もそうだがそれぞれがかわいそうで息苦しさを感じる作品でした…。最後まで理解できない女なのに不憫で泣けてきます…。 2021/06/23

なっく

38
薄幸の少女が生き抜くために男たちを操る術を身に着け、哀しい悪女に変身していく、そんな話は白夜行やヒトリシズカでもあったけれど、これはそれらを凌駕するほどの迫力と哀しさに満ちた話だった。貧しさや暴力が負の連鎖を生み、泥沼のような人間関係に絡めとられていく、そのやりきれない生い立ちをよそに、律子が男たちに見せる少女のような娼婦のような様々な顔。どんな男もその魅力から逃れることはできない。初めて読んだ作者さんだったが、流れるような展開でのめり込むように読めました。2021/09/09

タルシル📖ヨムノスキー

26
同棲相手を殺害し、放火した容疑で逮捕された律子。若手で将来を嘱望される検事・津田口が丁寧に律子の過去を紐解いていくことで、徐々に明らかになっていく律子の壮絶な過去とさまざまな顔。とにかく律子の幼少期はつらすぎる。親が子供に対して一番やってはいけないことは、「生まれてきてごめんなさい」、「生きててごめんなさい」と子供の口から言わせてしまうことだと思う。正直容疑者の律子にも検事の津田口にも共感出来る部分は少なかったけれど、とにかく読み応えは抜群。これはなかなかハードな読書体験だった。2021/08/24

さこちゃん

16
出自は本人には関係のないこと。しかし、成長する過程で植え付けられた劣等感が、自暴自棄へと向かわせる。暴力と悲しみの連鎖は断ち切ることができなかったのか。先の読めない展開に夢中になったが、この話の中に救いは見つけられなかった。2021/05/22

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